つまらないことでも

あたしは楽しめる

いい夢だった

そんな気持ちで目が覚めてあの世に逝きたい

目が覚めるまでにたくさん夢を見よう

明日もし、晴れたら車に自転車を積んで
朝からサンドイッチを作って、もちろんあなたの大好きなアボカドも挟むの
風を感じながら海沿いをサイクリングしよう
子供は二人ぐらい欲しいな
部屋には赤いソファを置きましょ
夜は一緒に晩酌がしたいな
猫が足に絡みついて構ってほしいと甘えて喉を鳴らしているわ
あなたとあたしが仲良しだから羨ましいみたい
たくさん写真を撮りましょ、思い出が溢れる愛のある日々を記録するの
そして大切なものを壊れないように優しく抱いて毎日寄り添って眠りたい

私はずっと鳥かごの中で生きている
そこで与えられた餌を食べ、冬は暖かく、夏は涼しく快適で安泰の中で生きている
鳥かごの中と言っても扉はいつも開いていて
いつでも夢見てやまないあの外の世界に飛び出せるのに
どうしても私には勇気がなくて足がすくんで出られないんだ
ずっと夢見ているだけでいいの？そんな声がどこからともなく聴こえてくる日もある
私を縛るのは誰でもない、私自身なんだ

憧れの外の世界を諦められないんだ
外に出てもたくさんの距離は飛べないかもしれない
餌にだってありつけないかもしれない
雨に濡れてしまうこともあるかもしれない
危険にさらされるかもしれない

でもやっぱり諦められないんだ


拝啓飼い主さま

私は夜明けと共に旅に出ます
今まで本当にありがとうございました
これからは自分を信じて自分の足で生きて行きます
どうか心配なさらないで下さい
私は何があっても幸せだったと胸を張って言えるのですから

あの雲、子鹿みたいだな〜