【タイムマシーン】
時間/ループ/パラドックス/遡行/やり直し/未来/過去/現在/機械/近未来/電子
「やり直しぃ?」
素っ頓狂な声が教室に響き渡った。
唯人は神経質に辺りに視線を飛ばして、口の前に人差し指。
「しー!声でけえって!聞かれたらどうすんだ!」
「いや……だってさ」
いきなりタイムマシーンが売られてた、やり直ししてみたいか?なんて言われても頭の処理が追いつかない。
「んで、どうよ。やり直したいか?」
唯人はそれを馬鹿真面目に信じているようで、目を輝かせて聞いてくる。
「……いいや。別に」
「マジかよ!お前大人だなぁ〜!俺は今すぐ戻って昨日の自分を叱りたいっ!ゲームばっかやってないで課題やれ!ってな!」
唯人はタイムマシーンの幻想に、歯を噛み締め拳を見つめた。そうまで悔やむなら昨日のうちにやればいいのに。長くため息をついた。
「お前なぁ……今日のところは見せてやるから、明日はちゃんとやってこいよ」
「おう!分かってるって!……分かってるからそんな目で見るなよ」
……にしても、タイムマシーンか。
毎日後悔してんのに課題をやらないのと同じで、今変われないなら、過去に戻ったところで未来が変わるわけもないだろうのに。
唯人がくるりと振り返った。
「あ、今日時間ある?せっかくだから見にいこうぜ!」
「良いよ。楽しみにしてる」
口角が上がるのを感じた。
_あとがき_
最近、考えながら書くが自然とできるようになったと思います。しかし悲しいことに、いいねはあまり来ないのが現状。技術の向上という裏付けがあるので、そこまで凹みはしませんが。
今回は「タイムマシーン」への理想と現実を描きました。現実を語った上で、それでも少しタイムマシーンに興味がある主人公の姿にクスッと笑ってくれたら良いなと思います。
【寒さが身に染みて】
寒さが身に染みている。まさか私が寒さを認識するとは思っていなかった。
そうして立ち尽くしていると、行き交う人が自分の顔を窺っていることに気付いた。雪も降り始めている。人が寒いと感じる温度だ。
私は改めて、行き交う人たちを見つめ返す。不審がって皆んな目線を逸らすが、構わない。じっと見つめて、それでも分からない。
私と人に、なんの違いがあるんだろうか。過去から学び、今を生きる。その枠組みはAIだって変わらないのに。
風が轟々と吹いている。寒さは感じない。それでも吹き飛ばされないように、服を抑えた。
【冬晴れ】
大失敗した。それはもう言い表せないくらいの大失敗を。新年早々ついてない。
親戚とたくさん話をして元気を補充した後だったのに、もう全部使い切っちゃった。
今日は休もう。そうしよう。
天候は冬晴れ。雲は私を隠してはくれない。
【日の出】
あっ。日の出だ。半笑いで言ったら引っ叩かれた。うまいこと言ったと思ったんだけどな。ツルッとした頭皮にピッタリじゃんか。
_あとがき_
思いついちゃったので……ごめんなさい。
思いついたら普通に小説っぽい文も追記しておきます……
【今年の抱負】
新年/期待/希望/絶望/喪失
自動ドアが開く。俺を出迎えたのは、活気あるざわめきだった。寒さも忘れ目を丸くした。
視界に映ったのは、はしゃぐ子供たち、窘める親、見守る老人らの姿があった。3世代間の交流。俺のイメージする公民館とあまりにかけ離れていた。
窓口に声をかける。
「……これは?」
「今年の抱負を考えているんですよ。年始恒例のイベントでして」
女性はそういって奥の方に視線をやった。つられて視線を向けて、イベントの趣旨を理解した。
「良ければ書かれていきますか?」
「……」
否定の意を伝えるように、視線を逸らす。そのまま帰ろうかと思ったが、気まぐれで見に行くことにした。少しばかり冷やかしたくなったのだ。
方眼紙の前に立ち、上を見上げる。マーカーでデカデカと“今年の抱負”と書かれている。様々な色の付箋が貼り付けられている。七夕の願い事のようなものだろう。
何が抱負だ。馬鹿馬鹿しい。
_あとがき_
え、ここで後書き!?と思ったことでしょう。すいません。お題更新までに書ききれませんでした。私としては自然と転まで進んだということで割と手応えは感じましたが。