3/22/2024, 12:56:12 AM
『二人ぼっち』
ステージライトが煌めいている。
彼の瞳には僕が映り、僕の瞳には彼が映っている。
マイクを通して二つの歌声が重なり合い、混じり合う。
数万人の観客も、スタッフもダンサーも気配を消して。
今この時は、二人ぼっち。
3/21/2024, 4:36:58 AM
『夢が醒める前に』
好きだと告げると彼はふわりと笑った。
あれ、びっくりしないんだ。
「もう一回言って。夢が醒める前に」
馬鹿だな。夢じゃないよ。
何度だって言ってやる。
「大好きだよ」
3/19/2024, 11:16:05 PM
『胸が高鳴る』
「あなたの書くお話が好きです」
SNSで知り合った、うんと年下の友人は、大切なことを打ち明けるみたいにその言葉を言ってくれた。
誰かにとっては取るに足らないことかもしれない。
でも、心の柔らかいところがありがとうって叫んでいた。
胸が高鳴る。
3/19/2024, 3:03:07 AM
『不条理』
世の中は、不条理だ。
努力は報われないし、正直ものが馬鹿を見る。
それでも、だからこそ、ハッとするような奇跡がごくまれに目の前に現れる。
例えば、僕と君との出会いみたいな。
3/18/2024, 1:03:20 AM
『泣かないよ』
君と永遠にお別れしなくてはならないと分かった時、僕はとてつもなく絶望したんだ。
だけど肝心な君の方は、僕を気遣って笑っていたね。
会えなくなってもあなたの心の中で生き続ける、生かしてちょうだいと笑って言ったね。
いなくなってしまった人の意思を想像して心の拠り所にするのは、残された人のエゴだと思う。
それでも君が願ってくれたことはほんとうだと信じたくて。
君が伝えてくれたことを食べて、生きていくと決めた。
だから、泣かないよ。