『一筋の光』
縋りたくなっちゃったんだ?
自分には何も無いと思ったのでしょう?
これを逃したらお終いだと思ったのでしょう?
怖くなっちゃったんだ?
貴方にはこれが光に見えたのでしょう?
翳りが見えてしまうのが嫌なのでしょう?
私に自分を重ねちゃったんだ?
苦しくて悲しくて恐ろしいのでしょう?
逃げたくて泣きたくて消えたいのでしょう?
いいよ。もう。
欲しい言葉だけあげるよ。
貴方だけが得できるようにしてあげるよ。
今日も頑張ったね。おつかれさま。
また来てね。いつでも待ってるからね。
『哀愁を誘う』
ほんのすこし、ほんのちょこっとだけ
もの悲しい うら悲しい
私は悲しいの?
悲しい?
悲しい?
大丈夫。やめろ。
辛くない。やめろ。
苦しくない。やめろ。
生きてゆける。やめろ。
私は生きている。やめろ。
正解にしてゆける。やめろ。
謝罪も感謝も不要だ。やめろ。
やめてくれよしてくれ。やめろ。
もう話しかけないでくれ。やめろ。
もう目も合わせないでくれ。やめろ。
泣いてなど いない。やめろ。
怒ってなど いない。やめろ。
やめろやめろやめろやめろやめろやめろ。
二度と悲しくならない。絶対に。やめろ。
無かったことには、ならないのだから。
気持ちは絶対に、踏み入らせてはならない。
『鏡の中の自分』
冷たいものに触れる度に火傷する
此処 には ない あたたかさ を 求めて いる
爛れたのは自分自身?
見えない部分まで爛れた
裏側まで全部全部爛れた
黒ずんでくから苦しくなった
剥がれてくから苦しくなった
苦しんでいるのは自分自身?
否否否。
存在 しない あたたかさ を 求めて は いけない。
『眠りにつく前に』
きっと明日には、わすれてる
この夜の綺麗さなんて
明け方の空には、かなわない
この夢の綺麗さなんて
貴方の本心には、とどけない
この心の綺麗さなんて
わすれないで、かなって、とどいて。
終わりなき物語でありますように。
幸せに眠れる夜でありますように。
涙を滲ませる夜が来ませんように。
『永遠に』
あれから悠久の時が流れた
あれから何者にもなれなかった。
あのとき あのころ
私は天にだって昇れるような気がしていた
あれから幸福は得られなかった
あれから悲愴は得られなかった
あれから憤怒は得られなかった
あれから平穏は得られなかった
あれから特別は得られなかった
偶像に心を委ねた天使は、
何故自らを切り裂き微笑むのか。