『鏡の中の自分』
冷たいものに触れる度に火傷する
此処 には ない あたたかさ を 求めて いる
爛れたのは自分自身?
見えない部分まで爛れた
裏側まで全部全部爛れた
黒ずんでくから苦しくなった
剥がれてくから苦しくなった
苦しんでいるのは自分自身?
否否否。
存在 しない あたたかさ を 求めて は いけない。
『眠りにつく前に』
きっと明日には、わすれてる
この夜の綺麗さなんて
明け方の空には、かなわない
この夢の綺麗さなんて
貴方の本心には、とどけない
この心の綺麗さなんて
わすれないで、かなって、とどいて。
終わりなき物語でありますように。
幸せに眠れる夜でありますように。
涙を滲ませる夜が来ませんように。
『永遠に』
あれから悠久の時が流れた
あれから何者にもなれなかった。
あのとき あのころ
私は天にだって昇れるような気がしていた
あれから幸福は得られなかった
あれから悲愴は得られなかった
あれから憤怒は得られなかった
あれから平穏は得られなかった
あれから特別は得られなかった
偶像に心を委ねた天使は、
何故自らを切り裂き微笑むのか。
『理想郷』
恋をした天使は何をなくした?
目を耳を鼻を口を、失った
手を脚を胴を臓を、失った
翼を弓を輪を力を、失った
墜ちゆくまあるいものの中には1つだけ
気持ちだけが無くせなかった
快楽的一瞬における永遠を夢見た天使は
力を使うこと無く、理想を手にした。
『懐かしく思うこと』
思うこと 言うこと 伝えること
話すこと 聞くこと 分かること
暗い部屋で聞こえる明るい喉と
投げられて散った後のダンボールと
絶対的な了承に散らかる教科書たちと
痛くて泣いても治まらない鼻血と
次は折られると思った右腕と
ご都合主義で叫び出す気分屋と
言うだけなのに怖かっただけの手のひらと
近頃減量キャンペーンのガラスの傷と
多分救えたはずの気持ちたちと
多分言えたはずの気持ちたちと
多分あったはずの気持ちたちと
何かあったはずなんだけどね。