「ごめんね」

あなたが
辛いとき
側にいなくて
「ごめんね」
……って

呟く独り言は
風が攫っていって
あなたの部屋の
窓に吊るされた
風鈴を揺らす
ちりん、ちりんと

「ごめんね」
……って

「半袖」

もうすぐ暑い
夏が来るから
厚い服を脱ぎ捨てて
ほんのちょっぴり
素肌を覗かせ
あなたの瞳を
釘付けにしたい

なぁんて思ってるけど

私の本音を
あなたが見つけてくれるまで
あなたへの想いは
薄い衣の
半袖の下に隠したままで

「天国と地獄」

隣り合わせの
天国と
地獄を
心は
行き来しながら
僕らは
生きながらにして
天と地の世界の狭間で
身体を突き動かしている

「月に願いを」

叶わないと
わかってるから
こその
願いを
呟いてみたくも
なるんだよ
そっと
月に
密かに
密かに
月に願いを託して
叶わない夢を
生かして
私を押し殺してゆく

「降り止まない雨」

止まない
雨を
眺めてる

虹の出ない空

しとしとと
静かに
降る雨音だけを
聴いている

その中で
希望に変わっていく
音色を
聴き逃さないように

こころの世界で