やさしい嘘


嘘は嫌い

知らなくていい事をわざわざ知らせなくても
知らない方が幸せなこともある

本当にそう？
いつかそれを知った時
もっと傷つくことにはならないだろうか
もっと早く知っていれば、と
結局傷つくなら
傷が浅い方が、回復する時期が早い方がいいのではないか

そんな私も嘘をついた
病名を言わないでほしいと親戚に言われ
本人に嘘をついた
私一人の時に
何度も何度も聞いてきた
何度も嘘をつく私自身のことも嫌だった
でも家族を無視して言うわけにもいかず
嘘をついた

正解は今でもわからない

明日に向かって歩く、でも


生きている以上
前に進んでいかなければ
そう思うものの
足取りが重くなったり
時には立ち止まってしまうことも

でも、それでいいんだと思う
休み休みゆっくりと
一歩一歩
進めていたら
上出来

透明な涙


すぅっと流れ落ちたその雫は
汚れがなく
失礼かもしれないが
あまりにも美しく
ハッとした

そっと


ふと気付くと
君がいたんだ
私の隣に
あれこれ聞かず
ただじっと
私が話すまで
隣で寄り添ってくれてたんだ

まだ見ぬ景色


この道の先に
何があるのか
何をこの目にし
何をこの手にするのか
自分の目で見届けよう
自由と責任を背負って