【安心と不安】
君にとっての“安心”は僕であって欲しいし
僕にとっての“不安”は君であって欲しい。
君にとっての“居場所”は僕の隣であって欲しいし
僕にとっての“拠り所”は君の隣でありたいんだ。
君にとっての“恋人”は僕であって欲しいし
僕にとっての“友達”は君であって欲しい。
【特別な夜】
夜中、異様な物音に目を覚ます。
その正体は雨だった。今日一日中振り続けるらしい。
一度気にするともう放っておくことはできない。
仕方ないからコーヒーを淹れるためにベッドから離れる。
「熱っ…」
熱がりながら、雨音を聞いて飲んでいると人の気配がした
それは最愛なる恋人だった。起こしてしまったのか。
よたよたとこちらに歩いてきたと思うと、突然抱きついてきた。
「…なんか特別な夜みたい、」
【海の底】
「水の中で泣いてる人に気づけるようになりなさい。」
こんなの以心伝心してなきゃ無理だっつの。
ただでさえ、自分が苦しんでいるのにも気づかないのに
なんで他人のことを気にしなきゃいけないんだよ。
「僕は水の中で泣いてる人には気付けないけど、隣で泣いてくれる人には気づける。」
自分の見える範囲でいいってことを君に気付かされた。
なにもかも海の底に置いてきた自分がまるで馬鹿みたい。
【美しい】
頑張る君が誰よりも美しいとか、道に何気なく咲いている花が妙に美しいとか思ったことがなかった。
あれは小説や歌による妄想だと思っていた。
でもそれは間違いだった。
今、僕の隣で笑っている君が誰よりも美しいと思えた。こんなの初めてだ。戸惑っている僕に君は言った。
「笑ってる君が一番美しいよ」
【ずっとこのまま】
「バンドマンがアーティストに恋って可笑しいかな…」
「そ?俺は良いと思うけどな…ね」
「うん、僕も良いと思うよ!」
こいつらは知らない。
僕が言うアーティストは“同性”だっていうこと。
でも相手も、僕らのバンドのことを褒めてたしファンだって言ってたし…ワンチャンあるかもって…。
こっそりライブに参戦して、このファンって言う立ち位置の方がいいのかな。
それなら、ずっとこのままでいいのかな。