【子猫】
最近、近所の夫婦が飼っている猫に子猫が産まれたらしい。正直自分は犬派だから、受け取る予定はない。
だが、その夫婦は子供のお金だったり家のお金だったりでかなり困っているようだ。
今の子猫は3匹。他の近所には全員にあげたらしい。
最低でももう1匹は引き取って欲しいみたいだ。
一緒に暮らしている親友にそのことを話すと
「いいじゃん、引き取ってあげようよ」
と言った。
「可愛いね」「うん、すっごく可愛い」
子猫に言っているのか、親友に言っているのかは自分でも分からなかったが、猫と戯れている親友を写真に納めといた。
【秋風】
肌寒くなってきて、手袋をつける人が増えてくる時期。
正直、僕は冬より夏の方が断然好きだ。
ふと隣にいる君を見つめる。
こちらの視線に気づいた君は、こちらを見返してくる。
気恥ずかしそうに頬を赤らめ君は言った。
「別に自分は冬嫌いではないよ」
君がそう言うのなら、僕もそう思う。
秋風に吹かれながら二人一緒に、冬を待っていた。
【柔らかい雨】
好きな人から告白された。
本当に嬉しかった。でも嬉しくなかった。
なぜなら、あの人は違う人にも告白していたから。
「もう好きな人は(名前)しかいないから」って…
その言い方、他にも候補はいたってことなの?
まぁ実際そうだもんね。他にも2人好きだったらしいし。
でも自分は、都合の良い恋愛しかしないつもり。
相手が好きなら自分も好き。相手が嫌いなら自分も嫌い。
__そんな自分が嫌いだったのを、励ますかにように
柔らかい雨は、ずっと振り続けていた。
【始まりはいつも】
始まりはいつも否定から入る。
自分が自分のやりたいことを、口に出すと
「何言ってんの?wあんたじゃ絶対無理w」
「もっと…現実見てくれませんか?」
なんか矛盾してるような気がする。
親はこう自分に躾けてきた。
『いい?大きな夢を持つことが大事なの』
でも大きくなったら、親はこう言った。
『いい加減、現実見なさい』
【星座】
「見て、あの星座。すっごい綺麗に見えるね」
「あ、あの星座って…」
君と一緒に来た星空がよく見える、思い出の丘で。
「本当に、星好きなんだね」
「やっぱり大好き」
僕は昨日交通事故に遭った。
「君との約束を守れなくてごめんね。」
君はずっと声をあげて泣き叫んでいた。