【窓越しに見えるのは】
窓越しに見えるのは、晴れでも雨でもない。
曇りだった。
自分は曇りは嫌いだ。
君が離れて行くような気がするんだ。
なぜかはわからない。いや、分かりたくない。
理由は知りたくない主義なんだ。
【入道雲】
一年生の頃。大親友だった友達がいた。
毎日遊んで、毎日一緒に帰って。
本当に楽しかった。嬉しかった。
でもそんな君は一年生の時に、転校してしまった。
悲しかったけど、頭の中にはいつもいた。
そんな忘れかけていた、5年後。
バレーをやっている友達からこんな報告を受けた。
「ーーの言ってた友達、バレー部にいたよ」
それを聞いた瞬間、心がドキッとした。
バレーには興味ないけど、親友だった友達がいるなら…
と思い、友達と一緒にバレーの見学に行った。
すると、数年前とは変わらない、元大親友だった
友達がいた。
友達によると、相手も自分のことを覚えており
『大親友』と言ってくれたみたいだった。
こんな自分にも、『大親友』と言ってくれる人がいたんだ
って思うと、嬉しかった。
入道雲が流れる空をまた、大親友と見たかった。
【夏】
君の運命の人は僕じゃない。
僕は大好き。好きだった。
でも君とは釣り合えない。
でも、きっと共通点は何個かあったはず。
君も僕のことを好きだったはず。
僕の肩で寝る君を僕は、寝たふりで誤魔化して、
花火の音と共に飛び散った、僕と君の夏。
【ここではないどこか】
休日になんとなく散歩をしていた。
街並みに出てみると、休日だから人がいっぱいいる。
ごちゃごちゃした場所は苦手だった俺は
すぐに引き返そうとした時。
1人の少女に出会ってしまった。
でもどこかで見たことあるような気がする。
そう、ここではないどこかで。
【子供の頃は】
子供の頃はよく、鬼ごっこやってたね。
自分の方が足が速くてさ。
今度は自分が追いかけるよ。
遠くの街に行ってしまう君を。