9/27/2022, 10:54:20 AM
ポツリ 、
勉強の合間にぼうっと窓の外を眺めて入れば 、突然ガラス越しに小さな雨粒が当たる 。
その1粒を合図に 、次々にたくさんの雫が落ちてきて窓を叩いた 。
あーあ 、こんな天気じゃ勉強もやる気にならないや 。
数学の課題の上に突っ伏して目を閉じようとしたその時 。
ザーザーとうるさい雨音に混じり 、LINEの通知音が響いた 。
バッと勢い良く顔を上げてロック画面を確認すると 、彼の名前と「 課題終わった ? 」の7文字 。
雨でどんよりした表情も消え去り 、スマホを持ってひゃーなんて声も上げてみたりしちゃって 。
あなたの通知1つで
わたしの心は晴れ模様 。
9/26/2022, 11:50:14 AM
秋と言うのに照った陽射しは 、午後二時半の校庭に容赦なく降り注ぐ 。
9月も終わりに近づく今日の日 。
ソフトボール場の隅でピッチングの構えに入る彼女に見惚れた 。
深くかぶったキャップから覗くまろくて涼やかな額 、
ぐるりと回転する長い腕 、
身体の動きとともに揺れるポニーテール 、
キャッチャーミットを見つめる鋭い眼光 。
パンッ 。
心地よい音とともに手の中のミットにボールが収まった 。
キャッチャーマスク越しに視線が交わると同時に頬があつくなる 。
キャップをかぶり直してにっこり歯を見せた彼女の後ろを掠めるのは 、あかいもみじ 。
9/26/2022, 7:05:07 AM
黄昏時 。
橙色の光が射し込む窓辺の席に腰掛けた 。
あかい夕陽が浮かんだ空にひとつ、黒い影がさしたと思えばカァカァと鳴き声を漏らしていく 。
今日でこの席も卒業 。
慣れ親しんだ地域と友達も卒業 。
春からは東京の大学に進学する 。
地元の両親も 、中学から一緒の友達も 、
東京ではみんな居ないんだ 。
今日までここで生きた私に 、
昨日までの私に 、
おめでとう 。
さよなら 。