5/9/2024, 10:40:27 AM
【一年後】
今年の最初は何をしたんだっけ。
テレビを見て、ご飯を食べて、寝て。
今やってることと変わらないじゃないか。
思えば、初詣にも行っていない。
来年はどうだろう。
行くのかな。
いや、行かないかもしれない。
来年のことを考えたところで実際にそうするとは限らないし、なんでもいいか。
楽しみだな。
テレビの向こうで楽しそうな声が聞こえる。
今年の話でもしているのだろうか。
お腹いっぱいだし、さっそく寝るとしよう。
5/7/2024, 4:55:57 PM
【初恋の日】
鼓動が高まり、全身の熱が顔に集中する感覚。
不安とも嬉しさとも捉えられない感情。
何もかもが初めての体験。
思い出して、何故か口角が上がってしまった。
眠れない。
窓際に立ち、夜空を眺める。
輝く星、黒い雲、少し欠けた月、いつもより綺麗に見える。
初めて恋を知った日。
夜空に映したあの人の顔。
胸の奥にしまったままの言葉を、夜空に向けてささやいた。
5/7/2024, 10:03:02 AM
【明日世界が終わるなら】
少し冷めた唐揚げ、レンチンしたレトルトのご飯、レタスとドレッシングだけのサラダ。
決して贅沢とはいえない。
「いただきます」
唐揚げを口に運ぶ。
マヨネーズがあれば完璧だった。いや、やっぱりレモンの方が良いか。
そんな事を考えながら白米を頬張る。
あぁそうだ、サラダも食べなければ。
小さな幸せと共に噛みしめる夕食。
いつもと変わらぬ日常。
明日世界が終わるとしても、この日常を味わいたいと思うだろう。
そのくらい尊くて、美味しい。
「ごちそうさまでした」