『静寂に包まれた部屋』

彼は　たった一人で
何を想っていたのだろう
蒼白く輝く　美しい満月
風にそよぐ野の花たち
この世の美しいものすべて
一度も見ることがないまま
外の世界と一切の関係を断ち
静寂に包まれた
窓さえない　この部屋で
最後の時をむかえる
その瞬間まで
なぜ　ここで
生きることを選んだのか

『通り雨』

アイツなんて
通り雨みたいなもの
そう思ったら
傷つかずにすむのかな
遊ばれてたのは
アイツの方
って思い込んで
きれいさっぱり忘れよう
あれ？
雨かな？
違う
これは涙
大雨だ

『秋🍁』

掃いても　掃いても
ひーらひら
色とりどりの葉っぱの山
遠目に見てる分には
綺麗なのに
落ち葉を片付けるのは
一仕事
余計な仕事を
増やさぬように
そのまま　そこに
とどまってくれるとありがたい
そんな思いも
素知らぬ顔
あちら　こちらで
ひらひら　ひらひら

『形の無いもの』

風　そよそよ
言霊　流れて
想い　伝われ
祈り　願い
縁　絆　命
受け継がれ
イキトシイケルスベテ
形の無いもの
今日から明日へ
そして
未来へと

『秋恋』

｢〇〇の秋｣と
表現されることが多い季節
食欲の秋　実りの秋　読書の秋
芸術の秋　行楽の秋　スポーツの秋
人と関わるのが苦手で
ほとんど引きこもりの私
行楽にスポーツは無縁
恋は年中無縁
秋だから恋しよう
なんて気持ちにもならない
ってか　恋ってどうすれば
できるんだっけ？