『大事にしたい』
私が大事にしたいものは
指の隙間を スルスルと
こぼれ落ちるように
消えてしまう
つかんで離さないように
しなきゃいけなかった
そう
何度も思い知らされてきたのに
なくしてから
気づく
もう
遅すぎると
あと何度
繰り返したら
本当に大事にしたいものを
しっかりと抱きしめて
離さずにいられるだろう
『時間よ止まれ』
矢沢永吉?
そう思ったら
もう それ以外
何も出てこない
別に好きでもない
どちらかというと
まったく興味ない
それが証拠に
タイトルと歌手の名前は
わかるけど
歌詞や曲は?
と聞かれると
ファンの方には申し訳ないが
聞こうとして聞いたことないので
知らない
なのになぜ?
『花畑』
今日 死んでしまおうと思いました
理由はありません
特に何があったという訳ではなく
なんとなく
死んでもいいかなと思ったんです
まるで
水彩画のような
美しい花畑の
側に植えられている
しだれ桜の下で
桜の花びらが散る
空を見上げていたら
このままここで
朽ち果ててしまっても
泣く人は誰もいないだろうと
なのに
誰かが耳元で囁く
「生きることをあきらめるな。幸せになることをあきらめるな。」と
その声は優しく懐かしい
すうっと耳の奥に染み込み
ふと 呼吸が楽になって
自分が泣いてることに気づきました
けれど
「少し遅かったですね…」
私は
そのまま静かに瞼を閉じました
『空が泣く』
また 泣いてるの?
よく 泣くね
わかっているよ
もう やめな
本当は 気付いているんでしょ
空泣きしたり
駄々こねたって
あなたがしたこと
ナシにはできない
「地獄に落ちろ」
とまでは言わないから
今すぐ
目の前から
消えちゃって
『君からのLINE』
来るはずがない
来ても困る
でも
ブロックしないまま
何でだろう?
例えば
君からLINEが来て
私は
なんて返せばいい?
君からのLINEへの
正しい返信が
いまだにわからない
地雷を踏まないように
細心の注意を払い
気を使い
何で そこまでしなきゃいけない
と思いながら
だから
君からのLINEが来ないことを
密かに祈っている