『窓越しに見えるのは』

光輝く未来が
その向こうに
続いている

なんてのは　幻想だった

鍵のない部屋
それでも
独りで生きる術を知らないボクは
ここから　今だ
出られずにいる

窓越しに見えるのは
物語に出てくるような
ファンタスティックな世界

そんな妄想をしながら
閉ざされたカーテンの
その先の世界に憧れる

耳元で囁かれる
命のカウントダウン
聞きながら

『赤い糸』

断ち切って　断ち切って
あなたとの　赤い糸

願っても　願っても
終わった恋　始まりもしてない恋

あの娘より　少し早く
出会っていれば　違っていたの？

諦めきれない恋の糸
手繰り寄せても　手繰り寄せても
あなたにつながるはずもなく

あなたとあの娘の赤い糸
断ち切って　断ち切って

願いは届かず

恨みは募る

『夏』

何もかも燃えつきてしまった
遠い夏の日

突然　連れ去られた
多くの命

私につながる
あなたにつながる
多くの命

歴史の真実を
語る語り部は

残酷な
過去の過ちを
教えてくれる

何も知らず
生まれ育った私は

彼らの想いを
抱えきれないほどの
悲しみや　苦しみを

どう受けとめ

未来に

どう伝えていけば
いいのだろう

『ここではないどこか』

誰かが泣いている
誰かが怯えている
誰かが瀕死の状態で
誰かが新しい産声を上げ
誰かが幸せをつかみ
誰かが幸せを手放し
誰かが目覚め
誰かが眠りにつく

ここではないどこかで

誰かの日常が始まり
別の誰かの日常が終わって
そんな誰かのために
人知れず働いている人がいる

ここではないどこかにいる人たちと
私たちの
人知れずつながり
気づかないけど
助け合い

そして
この地球(ほし)を
動かしている

『君と最後に会った日』

どうか
君と最後に会った日が
人生最後の日で
ありますように