睦月

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1/28/2023, 11:16:57 AM

『街へ』

僕は街に行くのが少し苦手だ
限界集落ともいえるような
山間の静かな田舎に住んでいるせいか
普段から人との接触が少ないこともあって
人混みの中に行くと人酔いしてしまって
気分が悪くなる
人波も上手く歩けない
すぐに疲れて帰りたくなる
結局 目的も果たせず
何しに行ったかわからない
そんなことがよくある
何もない不便な田舎で
たまに自転車でふらふらと
一人でスーパーに行くくらいが丁度いい
こんなだから出会いなんてあるはずない
わかっているが
若い頃のような街への憧れのようなものは
薄れてきているようだ
年齢に関係なく活動的な人もいるが
そこまでの行動力もなくなってきた
とはいえ
このままここで朽ち果てるのも
なんだかなぁ~とも思う
キラキラした夢や希望を胸に
街へと旅立つことに憧れを抱いてた
あの頃にもう一度戻れたら
アイツとの約束も果たせたのかな?
「今からでもまだ間に合うぞ。人生はこっからでも挽回できる」
今ここにアイツがいたら
笑ってそう言うかもしれない
ってか 本当はそう言って
背中を押して欲しいのか?
歳を重ねても
相変わらず僕は迷ってばかりだ

1/27/2023, 1:08:58 PM

『優しさ』

コーヒーが冷めないうちに
優しい嘘をついて

ずっと今が続けばいいと思ってた
不可能だと気づきながら
あなたがくれる優しさに
偽りはないと信じたかった

あなたの帰り待ってる
誰かの元で
私に見せない笑顔を見せる

偽りの満たされない愛
私に残して いつか去って行く
そんな不安と背中合わせ

めぐりあうのが遅すぎた
待つ身の女なんて もう卒業

終わりを告げるのに
臆病なあなたの代わりに
私から最後の審判を

「さようなら」
私からの最後の
愛の言葉を受け取って…



1/26/2023, 11:02:55 AM

『ミッドナイト』

真っ暗な部屋の窓を開け
夜間飛行

愛する人を想う気持ちが生み出した
不器用な嘘がばれないうちに
あの人の記憶から
私を消しに

魔法の効果があったなら
明日の朝
あの人は迷わず彼女の元へ
私を忘れて
ハッピーエンド

1/25/2023, 11:11:47 AM

『安心と不安』

夜と非日常の番人
ようやく出番
久方ぶりのパーティーの始まりだ

「出会った人々を変えてしまう」くらいの
魔法の力を持つ「非日常」

人に守られていかなければ
すぐに息絶えてしまうくらいに弱い者
安心と不安の空中ブランコを
行ったり来たりの繰り返し

仮面をつけた貴婦人たちは
噂話に花咲かせ
舞台の上
踊り子たちは歌い踊る

宴は続く夜の闇
星が瞬きカーニバル
鳥や虫たち大合唱
連れて花たち踊りだす

夜明けを知らせるフクロウの声
そろそろ宴もおひらきだ
非日常とはおさらばだ

客人たちは日常へ
夜と非日常の番人は
月に腰掛け帰ってく






1/24/2023, 12:04:28 PM

『逆光』

ありのままの自分で生きるなんて無理
すべてが思惑通りに進展する訳ない
努力しても報われない
悪魔のように
顔の見えないアイツが
耳元でささやく
逆光の中で深紅の唇が不適に笑い
暗闇へと私を追い詰める
人生は短く儚い
夢や希望にすがるなんてやめにして
そろそろ人生の引き際ってやつを…
顔の見えないアイツの
深紅の唇だけが鮮やかに
命のタイムリミットを知らせる
逆光の中 最後に見えたのは
大きな鎌を私に向けて振り下ろす
アイツの姿と高らかな笑い声…



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