『冬は一緒に』
コタツでミカン
お鍋を囲んで
湯気越しに団らん
「コタツで昼寝なんてこの家でしかできないの」
あの娘の笑顔
アイスは冬の定番と業界ではいうらしい
そういえば
コタツでアイスも悪くない
イルミネーションやウィンタースポーツも
いいけど
冬は一緒に
コタツでマッタリもいいなぁ~
そんな相手 今はいないけど…
来年こそは…って
毎年言ってるけど…
いったい いつまで言い続けたら?
サンタクロースも神様も
この願いだけは
叶えてくれないのよねぇ~
『とりとめもない話』
人が生きる
人を生きる
人と生きる
人に生かされる
人を生かす
人生って
辛くて苦しくて悲しくて
嬉しくて楽しくて面白い
複雑で残酷で滑稽で
やり直しがきかない
だけど…
自分でスタートラインを引いて
そこから始めるってことも
可能だったりする
人生って
生きるって
簡単そうで
難しい…
生き抜くのも
終わらせるのも
難しい…
なのにある日突然
予告なく
日常という
当たり前に思っていた
時間が永久に
終わりを迎える
なんてこともある
だから…
今日1日を
なんとなく…
ただがむしゃらに…
一生懸命に…
自分のために…
誰かのために…
生きぬいた
すべての命に…
ご苦労様!
ありがとう!
なんてことを
とりとめなく話たくなる
寒さ深まる
こんな夜…
『風邪』
あんなサカ
こんなサカ
まサカ
一番怖いのは
「まサカ」
って誰かが言ってた
あなたに出会ったのは
「まサカ」な日だった
あなたの横顔
あなたの笑顔
髪をかきあげる仕草
笑った時に見える
八重歯とエクボ
熱にうなされているような
ふわふわしている
密かな恋
まサカ
親友が告白するなんて
まサカ
あなたがはにかみながら
受け入れるなんて
祝福するフリしながら
背筋が凍る
意気地無しの私に
怒りで体温が上昇する
片想いなんて
風邪みたいなもの
熱が下がれば
なんてことなく日常に戻る
だから今はもう少し
まサカの風邪に
うなされて
とことん苦しむことにする
あなたと彼女
二人の熱が
早く冷めますようにって
願いながら
『雪を待つ』
あなたが逝ってしまったのは
こんな寒い日でした
私の二十歳の誕生日
少し早めに祝ってくれて
まるで無邪気な子供のように
手作りケーキを頬張っていた
苦労ばかりの人生を
懸命に生きてきて
それでも
いつも優しく笑ってた
ちっちゃなシワだらけの手は
あなたの人柄を表すように
温かく…
そんな懐かしのぬくもりに
また逢いたくなって
空の彼方のあなたを思い
雪を待つ…
『イルミネーション』
サンタクロースがいるって
いつまで信じてただろう?
キラキラと
街は電飾で彩られ
賑わいを見せ始め
私は 逆行するように
孤独に凍りつく
メリークリスマス!
なんて 浮かれて
言う歳でもないし
一番愛しい人が
今は
一番憎い人
イルミネーションの街を
寄り添い歩くのは
私じゃなくて
どうせ あの娘なんでしょ