『愛を注いで』
どうかこれ以上
争いが起こりませんように
どうかこれ以上
戦火が広がりませんように
どうかこれ以上
彼女が傷つきませんように
どうかこれ以上
彼が苦しみませんように
どうか少年が武器を持って
戦わなくてもいいように
飢えに苦しむ子供たちが
お腹いっぱい食べられますように
どうかこれ以上
アナタがアナタ自身を
傷つけませんように
アナタが
誰よりも大切な
アナタ自身に
愛を注いであげることが
できますように
「心と心」
親子でも
兄弟姉妹でも
血が繋がっているからって
すべてが
理解できるわけではない
言葉にしないとわからない
言葉にしても
わかり合えない
血のつながりが
心と心のつながりが
イコールにならない
歯がゆさ
いつだって
肝心要のことは
口にだせない
家族って
なんなんだろう?
見えない壁
一番近い関係のはずが
一番遠い関係…
「なんでもないフリ」
本当は わかっているんだろう
自分でも 気づいているんだろう
なんでもないフリ
見て見ぬフリ
それが正解?
それでいいわけ?
納得してないのに
受け入れたくないのに
なんで
平気な顔して
笑ってるの?
本当は笑いたくもないくせに
そんなに
ひとりが怖いかい?
みんなと
同じ方向を向いてないと
不安かい?
おびえながら
ウソつく必要も
無理して
自分の居場所を
確保することにこだわる必要も
今のアナタに
本当に必要?
人と違うのは
人より劣ってるってこと?
決められた枠の中で
自分を見失ってるってこと
気づいている?
バカにされないようにって
笑われないようにって
ひとりぼっちはかわいそうって
自分軸
ぶれぶれの
自分のことが
一番かわいそうって
思うことはないのかい?
「仲間」
来世でも またここで…
そんな約束をしていたようで
必ずその場所に
たどり着かなければと
心がざわつくのに
今だに
ここにとどまって
もうずいぶん歳を取ってしまった
あの約束は
夢幻だったのか?
妄想だったのか?
『帰りたい』
私の中で私が
つぶやく…
みんなが待っている
その場所に…
仲間がいる
あの場所に…
それがどこなのか
現実の私は知らない
覚えていない
と言った方が正しいのか?
現実の私に
仲間と呼べる人なんか
ひとりもいないのに…
時々 なぜか
『あの』場所に
「みんなが待っている 行かなくちゃ」
そんな風に思ってしまう
「手を繋いで」
「手を繋いでもいいですか?」
なけなしの勇気を振り絞って言った
私から彼はさっと目をそらした
初めて見た彼の困った顔
突然心臓がぎゆっとつかまれ
つぶれそうだった
彼が手を繋ぐ相手は
私じゃなかった
そんなこと
とっくにわかっていた
それでも
一度だけ…
最後に
一回だけ…
そう言いかけて
やめた
「冗談ですよ。本気にしたんですか?」
私は逃げ出したくなるのをこらえて
できるだけ明るく
おどけて見せた
「最後に、握手してもらえますか?」
つとめて明るい笑顔で言った
ありがとう 先輩
苦くて 甘くて 苦しくて
ドキドキ ハラハラ
なんか
忙がしかった
私の初恋も
今日で…卒業