僕の目が覚めるまでに
君は少しでも僕の事を考えてくれたかな
そんなことを考えながら
今日も僕は眠りにつく

旅行に行きたいなぁ

彼女は病室で呟いた。
僕はそれを聞き逃さず、どこに行きたいの？と
尋ねた。

んー沖縄とか？？

…良いと思うけどなんで？

今、夏だし…泳ぎたくない？
それに２人で色々な物作ったり、体験とか
やってみたり…めっちゃ楽しそうじゃん？

相変わらず元気はあるね笑

うるさいなぁ、じゃあ決まり！
退院したら２人で沖縄にいこう！

分かったよ笑
あー…　もう時間だ　僕帰るね

うん！またねー


次の日もそのまた次の日も僕は彼女の病室を訪れる
そしていつも同じ話題、同じ内容の話をする

いつか君と旅行に行ける日は来るのかな。

今日もまた君の病室に訪れて君は言う


旅行に行きたいなぁ

明日、もし晴れたとしても僕は家にいるだろう。
友達と遊ぶ約束をしているわけでもなく
予定があるわけでもない…
しかし、家にいてもする事がない。
ここ1週間はこのような生活を繰り返している。

…そんな中でも毎日ある人のことを考えてしまう。
もう会うことのできない人
会ったとしても声をかける勇気がない
もう考えても無駄だと分かっている
なのに頭から離れない。

あの時、君ともっと話していれば
今僕が抱く感情も少しは変わっていたのだろうか。