9/8/2023, 3:23:37 PM
胸の鼓動
心臓が飛び出ちゃいそう。そう呟いた君は顔色を赤く染めたり青く染めたりと大忙しで、思わず笑ってしまった。そのことに腹を立てたのか、君は必死に逸らしていたはずの目線をわざわざ合わせてこちらを睨んできた。笑いごとじゃないよ、だって。それはそう。笑い話で終わらせるつもりはないよ。だって、やっと君をつかまえられそうなんだから。だから落ち着け、俺の鼓動。
7/10/2023, 12:07:29 PM
目が覚めると
目が覚めると隣にあなたはいない。それが当たり前のはずだったのに。どうして今日に限って、と嘆息する。慣れない体温に包まれて、居心地が悪い朝の目覚めだった。どうか、どうか、目を開けないで。寝たフリでもいいから。この腕の中から逃げ出すまで、どうか、そのままで。
7/5/2023, 1:00:55 PM
星空
言うなれば、常に星を纏っているような人だった。笑顔も仕草も声も、その人を形成する全てがキラキラと光を放っている。昼間なのにもかかわらず星空を浴びている気分になる。最初はただそれだけだった。まだ、気持ちを自覚する前の話だ。
7/4/2023, 12:36:00 PM
神様だけが知っている
惰性でしかないこの関係に終止符を打つのは簡単だった。もう終わりにしようと口にする。たったそれだけ。それだけで事足りた。この言葉を吐き出すまでにどれほどの時間を必要としたのか。どれほどの感情を飲み込んだのか。君は知らない。何も知らない。それでいいと言い聞かせる。最初からこの気持ちは墓場まで持っていくと決めていたのだから。
7/3/2023, 2:15:07 PM
この道の先に
この道の先に何が待ち受けているのかなんて、とうの昔に知っていた。始まる前から決まっていたことだ。だから後悔なんてしていないし、傷付いてもいない。これで終わり。終焉。とどのつまり、さよならだ。