北極星は、南の形を夢見た

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1/10/2024, 10:49:09 AM

#4 【20歳】

20歳、それはもう一度周回する10年。

10代、部活でグラウンドを
10回走ったことを思い出す。

20歳、あの時よりも体が重い。
20分遅延する電車より、早く走れたら。

ムシャクシャに走ったあの頃は
何かを信じていた、のかもしれない。


1/8/2024, 10:16:58 AM

#3【色とりどり】

一つの球体に色を散らす

色ひとつでは、物足りない

けれど、全て混ぜることが美しいわけではない

色の反発から生まれるものは、黒ではない

空虚に押し込まれた色なのだ

色が交わり、調和し、互いをきわだてること

それはまるで、科学から生まれた
フィクションのようなノンフィクションのように

化学反応が起きて、芸術が生まれて、

色は散る。

それは、美しいもの






1/7/2024, 4:08:15 AM

#2 【君と一緒に】
君は、私がはじめてつくったお友達。

笑ってるときも、泣いてるときも、
君と一緒

いつも無口で笑顔を崩さない君だけど、
悲しいときでも、楽しいときでも、
ただじっと、ゆっくりと、私のそばにいてくれる。
決して否定しないところが、君の優しいところ。
いつだって君と一緒

君の匂いは、私の好きなジャスミンの匂い。
その匂いで包み込まれると、
嫌いな上司のことだって忘れられる。
好きなものまで「あなたと一緒」

はじめて行ったお出かけの場所は、今でもちゃんと
スマホのカメラと、私の記憶に残っている。

回る観覧車、君の小さい影、夕日に照らされた
君の笑顔。そのどれもが、いとおしい。
どこにいっても君と一緒

今日も明日も来年も、君と一緒

愛おしくて、かっこよくて、不完全で、完璧で。

君は、私がはじめて「作った」お友達。

これからも、君と一緒に












1/5/2024, 12:42:08 PM

#1【冬晴れ】

冬は晴れの日が多いと聞くが、それはきっと嘘だ。
最近は、木枯らしが吹きすさんでいる。

空も、ニュースも、心も。

どれも明るいものではない。
そう見えてしまうのは、運動不足のせいだろうか?

…そとに出かけよう。
そうすればきっと、少しは心が澄むはずだ。
2時半、なんとも言えない時間に、
のっそりと起き上がってスマホを手にとる。

ガチャ、ガチャリ。

一瞬、寒いのが億劫になって、
そとに出るのを躊躇するのだが、
踏ん張って足を踏み出し、寒さに身構えたのも
束の間、太陽が自分を包み込んだ。

あれ、あったかいな。

目を開ける。すると、真っ青な空に、
白い羽を広げたような曇が広がっていた。
すき間から漏れ出る日の光が、目に優しく滲む。

ほーっと息が漏れた。
美しくて、呆気にとられてしまう。
心のモヤモヤを忘れてしまうほどに。


気づけば思わず、「パシャリ」と撮っていた。
教えてあげたい、と思ったから。
この世界の誰かに。
今、心の木枯らしが吹く誰かに。

ねぇ、これ見て。
「冬晴れ」だよ。