お題〈視線の先には〉
「まじで━━くん今日もかっこいいー!」
「そうかい、ありがとう笑」
私には好きな人がいる。
しかし普通と少し違うのは、学校公認レベルで好きバレをしているという事。
〝もうあれはネタでしょ〟
〝本気じゃないならやめて欲しい〜〟
違う。私は本気だ。
〝ベタベタと━━くんに、まだ付き合ってない癖に〟
分かってる。でもこうしないと彼は離れてしまう。
こんな事しても心で繋がれないのは分かってる。
今日も授業中彼を見つめる。
授業が退屈らしく黒板の方を向いていなかった。
視線の先に居たのは、
学校でもそんなに目立っていない地味な女の子。
私の正反対の様だ。
私は彼がその子に恋心を抱いているのを知っている。
けど離さない。
お題 〈私だけ〉
〝━━くんって少し変わってるよね、〟
〝授業もよく参加していないし…〟
〝授業中寝てるよね〟
彼は変わっている
˹私だけ˼が本当の彼を知っている。
〝いつも人を睨んでいて怖い〟
それは彼は緊張しているから。
〝授業に参加していない〟
体が弱い妹ちゃんの世話をしているから。
〝授業で寝ている〟
家事育児をしていて疲れているから。
彼は強面な見た目に反して甘いケーキが好きなことも
猫が好きなことも、
勉強が出来ることも、
本当は皆と仲良くしたいことも、
優しいことも。
私だけが知っている。
私だけが知っていればいい。
お題 〈遠い日の記憶〉
あの年の夏は異常に暑かった。
あの夏はそれが非常に印象に残っている。
僕達は好きなアニメの話だとか今年は暑いね、など
他愛の無い話をしながら木陰で氷菓を食べていた。
そんなある日君が唐突に言った。
「好きだよ。」と ━━━━
アルバムを見ながらそんなことを思い出していた。
「あら、懐かしいわね」
「そうだね。そうだ。少し外を歩かない?」
そう言って僕達は他愛の無い話をしながら木陰で氷菓を食べた。
「懐かしいわね。」
「そうだね。此処で君が告白をしてくれなかったら今
頃こうなってないね。」
「好きだよ。」━━━━━
お題〈空を見上げて心に浮かんだこと〉
なんて綺麗な空…
そういえばあの日の空も今日の様な美しい空だった。
ただあの日は人生最大の後悔をしてしまった。
あの時と同じ後悔をしない為に私は走る。
あの人の元へ━━