メリゴーランド
ジェットコースター
観覧車
♪〜
そのどれもが軽快な音を鳴らしているが
その音とは対照的にギギゴと歪な音を上げて
奇妙に動き出す
夏の太陽
真昼間
ジリジリと身体を焼くように
私の身体を照らしている
こんなに天気がいいと言うのに
この遊園地には人のひとりも見つからない
さっきから汗が滝のように流れてきてイライラする
心無しか頭も痛い
私はなんでここにたってるの?
だって今はベッドの上にいるはず
夢…
夢…夢だと言うのに
暑くて暑くて仕方がない
頭が痛い
グラグラする
ピ… ピピ
ピピピ ピピピ ピピピ
グラグラと揺れる視界の中で規則的で聞きなれた
目覚ましの音がする
意識がはっきりすればするほど不快感が増して
私は勢いよく身体を起こした
?
私の体は何故か汗でぐしょぐしょになっている
夏、ではあるが昨日はそんなに暑かっただろうか
夢を見ていたはずだが残念なことに
私が覚えているのは
身体を焼くような暑さだけだった
そんなことはどうでもいい
時計を見ればもう8時過ぎだ
部活の朝練は9時半頃から始まる
急ぎすぎだと親によく言われるが
私の髪はどうも癖が強い
この髪をストレートにするのにどんなに時間が
かかることか
父と母、どの遺伝子をどう組みかえたら
こんな癖毛が生まれるのか…
毎朝そう考えるが今の私にそんなことを考える余裕は残されてない無さそうだ
ドタドタと階段をおり
顔を洗い、早速アイロンで髪をいじり始める
何故だかわからんが汗でぐっしょりだったおかげで
整えやすかった
どうせ部活で汗かくし…
私は夢なんて忘れ、呑気に部活終わりの冷房ガンガンの部屋を満喫していた
すずしい
聞き覚えのある軽快な音がした
ギギギと何かが軋む音がする
遊園地…?
またもや夢の中に引き込まれてしまったのだろうか
忘れていたはずだが
この音、このジリジリと体を焼くような暑さを
どうやら身体は覚えていたらしい
今朝の夢と違うところと言えば
何故か私が楽しそうなところ…私の小さい時?
10歳くらいの女の子と遊んでいるようだ
私が遊んでいるのにその様子を
上から眺めているような
…そういえば暑くないな
もちろん暑かったのだが
なれた?
まぁ、そんなことはどうでもいい
その10歳くらいの女の子はそんなに乗り気ではないようだ。私?に引っ張られて渋々という感じだ。
私が私の中に入ってみる?
閃いたのだ
つまり私は今、浮遊している状態なわけだ
幽霊みたいな
ならばその体に入ってみればいいんじゃないか
と思ったのだ
物は試し…
とりあえず重なってみた
途端に女の子の表情が変わったのだ
笑っている
花が咲いたような、とかではなく
サイコパスというかなんというか「狂気じみた」
という表現がよく似合った笑顔だった
「やっと…て、くれ…たんだね」
目を開けた
案外スっと開いた
暑くないし汗もかいてない
私は知っている
あの笑顔を
私は知っている
あの子の髪は癖毛
だけどとっても綺麗
真っ白で柔らかくて
真っ白な髪によくあった真っ白な肌
細い指
そのどれもが整っていた
顔も何もかも
同じ癖毛なのに
こんなに変わるのかと
少し悲しくなったのを覚えている
しかし彼女は少し変な子だった
笑顔が不気味なのだ
ひきったような
でも口角だけは一丁前に上がっていて
まさに「狂気じみている」のだ
お人形さんのような彼女のそんな笑顔に
私はびっくりはしたものの
不思議と恐怖は感じなかった
寧ろ彼女はその狂気じみた笑顔で私をもっと
夢中にさせたのだ
好きだったのだ
たかが10歳の感情だったけど
彼女に恋をしていたのだ
愛していたのだ
気づけば雫が頬を伝っていた
「ご飯よー!!!おりてきてーー!!」
感情の整理が追いつく前に母の怒号が鳴り響いた
急いで涙をふいて私は階段をおりた
「わかったー」
「お母さん、私が10歳ぐらいの時仲のいい子いなかった?」
「いたわよ」
「あの子今どこにいるの?」
「あの子は…たわよ」
は?聞いてないよ
そんなこと
気付けば夕食なんて放り出して部屋に戻ってしまっていた
By作者
我ながら書けば書くほど思いつかないしおもんない文章だなと思います
最後まで読んでくれてありがとうございます
金の音が遠くでなった
いつもは楽しげなんだけど
今日はなんだか悲しげになるから
私の気持ちも沈んでく
1度は外で汗をかいてみたいなー…
なんて
明日、もし晴れたら
ピクニックへ行こう
明日、もし雨が降ったら
君は何がしたい?