お題「冬のはじまり」
しまっていたセーターを出した。今日はなんだか寒い気がしたから。洗うのはめんどくさくてそのまま着てしまった。この寒さのせいだ。部屋の中はすきま風で寒い。セーターを着たのは正解だったようで、身体に熱がこもり暖かい。身体が温まると動く気になったから外へ散歩に行くことにした。だが外は日差しが暑く、セーターを着るには早かった。恥ずかしくなる。部屋の中と外は同じだと思っていたが大きな間違いだ。私はすぐ部屋に戻りセーターを脱いで、いつものトレーナーを着た。
すきま風が強くなったように感じた。
お題「最初から決まってた」
「顔が全てじゃないよ。」
この言葉は私達ブスを慰めるための言葉では無い。私達ブスが相手を妬むことがないようにする現実逃避の言葉である。産まれてから育つまでで沢山顔が恵まれてる人を羨ましく思った。歯並びがいい人、目がぱっちりしてる人、鼻筋が通っている人、顔が小さい。これだけでは無い。目がいい人、身体が元気な人、声がいい人、言い出したらキリがない。世の中、最初からもっている人は沢山いるのだ。この程度のことって思う人も中にはいるだろう。だが、考えて欲しい。顔が美人な人と顔がブスな人ならどっちになりたい?美人は美人でいるの辛いなんて話を聞く。彼女達にも彼女達の事情がある。でも、起きたらブスになりたいって言う人は聞いたことがない。自分の顔が欠点だらけになることを望む人なんているわけが無いのだ。そんなことを思いこんな意見を述べている私はただのブス。結局顔なんだよ。全てじゃないならみんな見た目に気を使ってないはずだ。こんな言葉があったって最初から分かり合えない者同士、相手を妬み、羨ましく思うことは最初から決まっていたのだ。
お題「太陽」
朝は必ず来てしまう。残酷にも太陽が顔を出す。夜がはやく来てほしいと願って一日を過ごす。別に太陽が嫌いな訳では無い。私達にとって必要不可欠な存在だから。ただ、私達の社会は朝始まるのだ。今日も憂鬱な朝に準備をして学校に行く。学校では明るい人達が中心でガヤガヤとしている。正直鬱陶しい。別に彼女彼等が嫌いな訳では無い。あの子達のおかげでまわりが明るくなるから。ただ、あの子達が明るすぎて見たくないものも見えてしまうのだ。気に入られたいと媚びを売る者。下品な者。偽る者。相手を妬む者。あの子達は中心で明るいから全て見えてしまう。そしてこれは、なんでも何かのせいにして自分から逃げるための言い訳に過ぎない。だから私が嫌い。太陽にもあの子達にもなれないから。ただ、はやく夜が来てほしい。
お題「病室」
気づいたら桜の舞う季節になっていた。病院の前にある大きな桜の木。もうそんな時期になってしまったのかと寂しい気持ちになる。友達との別れの時期。短い時間のはずなのに私には長い日々に感じた。ずっと学校に通える日を夢見て何日も待っている日々。結局叶わずに終わってしまったのだ。友達と行きたかった修学旅行も、文化祭も叶わない。辛い現実に思わず涙がこぼれる。でも、友達は私よりももっと辛いはず。私は友達の手を握り声をかける。
「ねぇ、早く目を覚ましてよ…。」
お題「友達との思い出」
私は大好きな友達の唇を奪った。突然のことに唖然とする友達。冷静な私。いや、冷静だったらこんな事しないよね。友達はそんな私の顔を見て大粒の涙を流す。
友達「なんでこんなことするの…?」
私「え、凄く良い顔してたから…?」
友達「やめてよ。嘘つかないでよ。私に嫌がらせしたくなったんでしょ?」
私「なんのためにあんたに嫌がらせすんのよ。」
友達「知らないよ!!!でもそうじゃなきゃこんなことしないでしょ!?!?」
いつも穏やかな友達の怒った顔に私も少し動揺する。なんでそんなに怒るの…?別にあなたにとってこれは大したことないでしょ。年上の彼氏がいてあれやこれもやってるあなたには。私はファーストキスだったけどね笑。私たち何年も一緒だったのに、最近のあなたは年上の彼氏とばっかり遊んでてさ、私は久々に遊べたのに。彼氏の話をするあなたの顔。今まで見た事ない顔してたよ。私の知らない、大好きなあなたがする愛おしい表情。そんな顔見たら誰でも心掴まれちゃうね。大好きなあなたとのキスは最高に気持ち悪かった。私だけのあなただと思ったのに、他のやつとこの唇を共有しているなんて考えたくなかったよ。
私よりも大人に近づいてしまったあなたに
私は…いつもの表情で問いかけた。
私「もう私の元には戻ってきてくれないの?」
これが数年前、友達との最後の思い出。
私はあなたの友達じゃなくなっちゃったみたい。
だって私とあなたは────