【大切なもの】
「だから、すぐ嫌われんだよ!」
私はそう言い放ち、教室を出た。
その後すぐ後悔した。
なんで、あんなこと言っちゃんたんだろう。
感情に流され思うがままの言葉を口にした。
最低だ。
この次の日、結局仲直りできずじまいで
朝、教室に入った。
その子は私に話しかけようとも
目をあわせようともしない。
私はその時、何かとても大事なものを
落とした気がした。
【エイプリルフール】
「私、今日ついに声優になったんだ!」
今日はエイプリルフールだからか、
璃乃がLINEで起きもしないことを言ってきた。
「嘘言うな。」と返した。
文章では気持ちがわからないからよかった。
そして次の文を打つ。
「お前、喋れないだろ。」
【見つめられると】
私は人の視線に敏感だった。
見られていると分かると、
何か言われているんじゃないかとか
何か気に障ることをしたのだろうか
とかを考えてしまう。
人の視線なんて、全て、その人への嫌悪
に決まっている。
ある日、また視線を感じた。
視線の方向を見ると
男子生がこっちを見ていた。
また、良くないことが頭をよぎった。
と、思ったけどよぎらなかった。
なぜか、心臓がどくどくする。
なんだコレ。
【夢が覚める前に】
私は、女優だ。
最近は、海外進出もしだし勢いに乗っていると
自分でも感じる。
更には、テレビにも出る回数が増え
雑誌の表紙にも起用されるようになった。
このまま勢いをなくすわけにはいかないと
私は疲れていてもとにかく頑張った。
そんな事を考えながら、自分のデスクを見る。
あーあ、こんな人になれたらなー。
私はこのいつまでも続くような書類の山の部屋で
おきることのない夢にふけていた。
【安らかな瞳】
私はいまだに信じられなかった。
あんな、劣悪で臭い環境で育ってなお
あの子の瞳は輝いていた。
全く同じ境遇の私は
もう、目も手も紅い血で染まった。
私はあこのが羨ましい。
私はあの子にそのままでいてほしい
思った。