【失われた響き】
「彼女の声は、みんなに伝染していく。」
「彼女の声は響きだ!」
私の声は、いつの間にか
響きと言われるようになった。
でも、ある日
「近いうち、声が出なくなるでしょう。」
「え…………、何かの間違いですよね?」
【霧降る朝】
私には夢がない。
もうすぐ受験だというのに、
私は、気分転換に外に出た。
外は霧が一面に広がっていた。
あるはずの太陽がない。
すると、霧がゆっくりと晴れ、
太陽があらわになった。
なぜが、心がスッと軽くなった。
【心の深呼吸】
私いつも、緊張してしまう。
ただの、発表でも、緊張して体が動かない。
でも、私には心の深呼吸がある。
大丈夫。
【時をつなぐ糸】
私の親友は、難病を抱えていた。
あの子とはいつも糸で繋がっいる気がしてた。
絶対に離れないと思っていた。
でも、あの子は十六歳で亡くなった。
あの子との糸は、十六歳で途切れたまま。
【手放した時間】
俺は元々、女癖が悪かった。
彼女がいたとしても夜中に店を漁っては
新しい女を求めた。
ある日、女と飲んでいると
スマホの着信音がなった。
俺は大したことではないだろいと思い、
スマホを開かなかった。
その夜、母親が死んだ。
あれは、病院からの電話だったと
あとから気づいた。
もう取り戻せないあの時間を
今でも俺は悔やんでいる。