【静かな夜明け】
「おぎぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
午前 05:48分
「生まれましたよ〜おめでとうございま〜す」
生まれた…………
さぁ、夜明けだよ!
【永遠の花束】
いくら、いらないと拒んでも
花は、贈られる。
そして、私の歩く道になってくれる。
【やさしくしないで】
「……わたし…死ぬの?」
「ええ。……………ごめんなさい…………」
別に死ぬのは怖くない。
お母さんのごめんなさいの意味もわからない。
その時、病室のドアが開いて幼なじみの
朱鳥が来た。
「お前、死ぬのか?」
目を見開いて聞かれた。
「うん。今までありがとう。」
ただ、お礼を言えばいい。
「俺も………一緒に死ねからよかったのにな……」
その言葉は、とてつもなく私には優しい言葉だった。
「やめて。」
やめて。
そんな事言われたら
「死ぬのが怖くなる。」
【隠された手紙】
私は、もうすぐ上京する。
今日は家の整理をしに、久しぶりに家に来た。
少しギシギシとなる階段を上がり
懐かしいドアノブに手をかける。
あとは、昔使っていた机を処分するだけ。
「……!………」
机の引き出しを引くと古い手紙が入っていた。
それは、
【未来のワタシへ】
だった。
【バイバイ】
「学校いってきまーす! バイバイ!」
「今日ちょっと遅くなる。いってきまーすバイバイ!」
「いってきまーす!バイバイ!」
私の娘は必ず最後に「バイバイ」を
つける子だった。
なのに………
「もう、こっちには帰らないから。じゃぁね。」
嗚呼
もう、バイバイじゃぁなくて
じゃぁね。なんだ。