11/13/2023, 12:09:10 PM
また、会いましょう。
積もる雪が解ける頃に会いましょう。
草花の命が芽吹く頃に会いましょう。
青梅雨が晴れ風薫る頃に会いましょう。
まんまるお月様が顔をのぞかせる頃に会いましょう。
白銀の塵が世界を覆う頃に会いましょう。
季節は繰り返し巡る。
「やぁ、また会いましたね」
11/12/2023, 12:03:07 PM
弾む吐息、跳ねる心臓、血潮が沸き立つ音。
僕の世界が始まった時からそばにあるモノ。
日々、僕は生と死の狭間で命の駆け引きをする。
濃ゆく薫る死の匂いを背負い、渇望する生を掴む。
_黒と白 生と死 まさに表裏一体_
其れは等しく平等に与えられ、不平等に間引かれる。
生かすも殺すもカミサマの采配次第、だから僕は運命に翻弄される事を望んだ。
このスリルが堪らなく僕を生かすのだ。
《スリル》
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11/11/2023, 1:19:20 PM
天高く、翼を広げ何のしがらみもなく飛び回る。
その自由の象徴に焦がれて、空っぽの両手を空へかざした。
真昼の空を駆け回る鳥のように、私は成れない、この世界の陰として生きているから。
この学園を去る時、深緑の忍び服から夜に溶け込む衣へと姿を変え、月夜を嫌い、闇夜を飛び交う蝙蝠のように駆け抜ける、そして誰にも悟られぬよう陰に溶け込み、息殺して生きてゆくのだ。
_そう、定められた未来は変わらない。
いつか、長い年月を超えて私に自由が訪れる時、
嗚呼、神様どうか叶えて欲しい。
私は自由に空を翔る鳥になりたい。
《飛べない翼》
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