みつぐ

Open App
11/11/2023, 1:19:20 PM

天高く、翼を広げ何のしがらみもなく飛び回る。
その自由の象徴に焦がれて、空っぽの両手を空へかざした。
真昼の空を駆け回る鳥のように、私は成れない、この世界の陰として生きているから。
この学園を去る時、深緑の忍び服から夜に溶け込む衣へと姿を変え、月夜を嫌い、闇夜を飛び交う蝙蝠のように駆け抜ける、そして誰にも悟られぬよう陰に溶け込み、息殺して生きてゆくのだ。
_そう、定められた未来は変わらない。

いつか、長い年月を超えて私に自由が訪れる時、
嗚呼、神様どうか叶えて欲しい。

私は自由に空を翔る鳥になりたい。


《飛べない翼》

__________________