【始まりはいつも】

物語はいつもまっさらから始まる。
そのキャンバスになにを描くかはあなた次第なのだ。

溢れんばかりの色彩を使う人がいる。
あえて真っ白な絵の具で描く人もいる。

物語はいつもまっさらから始まる。
そして終わる時も全てをまっさらにして終わる。

【すれ違い】

壊れそうなほど愛おしくて狂おしくて。

だけれどもう君の中に私はいないみたいだから

今夜そっと月に身を隠した。

【秋晴れ】

冬も春も夏も
いつも隣にはきみがいた。

秋、晴れ、誰もいない僕の隣に風だけが吹いていた。

【忘れたくても忘れられない】

バイト終わり、煙草を吸うあなたの顔を見るのが好き。
だから他愛もない話で時間を稼ぐの。

ねぇ先輩。インスタのアイコン変えたんだね。

隣に写るミニーちゃんのカチューシャを着けた子は、いったいあなたのなになのか。

今日もなにも聞けないままの22時半。

【やわらかな光】

一緒に歩いた遊歩道も、お弁当を作ったピクニックも。もうあなたには忘れたい過去のひとつなのでしょう。

私にとっては一生忘れない初めて叶った恋の話なのに。

それも全部白いドレスで塗り替えてしまえばいい。
私は今日、あなたなんかより良い人と結ばれるから。