見てみろよ。アイツ、またあの男子に夢中だぜ。
いつかそのうち目玉がハートの形になっちまうんじゃねぇか?
頭の中はさぞ綺麗なお花畑になってるんだろうよ。どんだけ夢見心地なんだよって話。
ん?なんでそんなにあの子のこと言うのかって?
……別に。俺が見た方角にアイツがいたからだよ。
結構あるんだよなぁ、アイツが俺の視界に入ってくること。
全く勘弁してくれよな。
……ところでさ。アイツ、マジであの男子のこと好きなのかな。お前、知ってる?
ちょっと探り入れてきてくれよ。俺が聞いたら絶対教えてくれないだろうからよ。頼むよ、な?
バカも好きもごめんも。
言う前にあなたは逝っちゃった。
もう遅いね、今さらすぎて涙しか出ない。
もっとあの時あなたのこと大切にしたらとか、
私はこの先一生考えて生きてゆくのかな。
泣いて悔やんで苦しんで。
そんな私を天高いところから見ていてよ。
バカだなアイツって、笑ってよ。
それで時々私の名前、呼んでくれたらいいのにな。
神様へ。
僕が先に逝くことになっちゃったけど、どうかあの子がこの先幸せに暮らしていけますように。
僕の代わりに、あの子のことを護ってくれる誰かが現れますように。
きっとそんなことをあの子が望むだなんて思えないけれど。
でも、あの子はひとりじゃ生きていけないから。
僕がそばにいてあげられなくなってしまった以上、他の人間に頼るしかありません。
僕への悲しみひとつ分を楽しい思い出に変えてあげてください。
あの子の優しさを、どうか汲み取ってあげてください。
そしたら僕は安心して旅立てます。
いつまでもこの世界をふらふらしていたくないから、どうかどうかあの子のことをよろしくお願いします。
あんなにずっと雨だったのに、なんで今日に限ってこんなにも快晴なんだ。
なにも君が出ていった日の天気がこんなに晴れやかにならなくてもいいじゃないか。
相変わらず僕の心は雨模様だよ。
この雨は多分一生止まないと思う。
愛してたよ、ずっと。
今もだけど。
せめて君に伝えてから出ていってほしかった。
あの子はね、遠くのお空に行っちゃったんだよ。
だからもう戻ってこないの。
泣いてあの子の名前を呼んでも、何も変わらないの。
もう会えないのは寂しいよね。
それはみんな一緒だよ。
でもあの子は向こうの世界で楽しんでるのかもしれないよ。
だから、あの子の旅立ちを受け入れてあげようよ。
忘れないでいてあげよう。
そうしたらきっと、いつの日かまたあの子がふらっと姿を見せるかもしれないよ。
元気でね、って、笑ってあの空に向かって手をふろう。
ほら、雨があがったよ。
虹も出てる。
あの子が返事してくれたのかもしれないね。
元気でね、って、笑ってあの空に向かって手をふろう。
さようならの意味じゃなくて、またいつかの意味で。