『君は今』
きっと自由に軽やかに走りまわっている
遊びながら私を待っている
私より先に彼女がいくよ
彼女は人も犬も苦手だから、
君が先にいって待ってくれていて助かる
私がいったら、またあの頃のように、
一緒に走ろう
その時の私はきっと、君たちに負けず劣らず軽やかだ
『空』
あの日の空は澄んでいた
春間近の柔らかな日差しが気持ちよくて
病院から帰ってそのまま、君と近所の公園に行った
君は私の腕の中で気持ち良さそうに穏やかに目を閉じていた
病気がわかってから、ほとんど動画を撮らなかった
久しぶりに腕の中の君を自撮りした
気持ちいいね、明日も来ようねと約束した
その日の夕方、君は旅立った
お正月はすごく元気だったじゃん
毎年見る桜、今年も一緒に行こうって言ってたじゃん
今朝もさっきもお尻洗った時、久しぶりにしっぽ振ってたじゃん
君が逝ってしまった日、私たちの病院通いを見守ってくれていた木に、びっくりするほどたくさんの花が咲いてたね
今年はあの時以上に蕾がぎっしりだよ
『命』
せっかく生まれてきたんだから精一杯生きたい
命を燃やす生き方をしたい
そう強く願っていて、
そうでない自分にいつもがっかりしていた
子供が成長し、自立し、
いよいよ自分の番
生き方を模索した
でも
私が本当に選んでいたこの生涯の目的は、
ずっと執着していたものと全く違っていた
いきいき自分の道を進んでいる人も
模索しながら頑張っている人も
思うようにならず絶望している人も
結局みんな自分が選んだ経験をしている
静かに自分をみつめる日々
私は自分の中で完結することを選んでいた
ここまでの経験も、これからの経験も
全て私が望んだもの
『大好き』
30年ほど前、生まれてきた息子を見て、毛穴という毛穴から初めての感情が噴き出した
親、友達、パートナー、、、
これまでの他者への感情とは比べものにならない、世界を美しく彩るエネルギーだった
一生守る!と決めた
ただ子供は一生守らせてくれる存在ではないと、ある時気づいた
今は16歳のわんこを一生懸命守っている
そのことにも限りがあることを知っている
どこまでも限りなく遠慮なく愛せる存在は自分自身なんだと、気づいている
いつかほとばしるような想いを自分に向ける日がくるのだろうか
『太陽のような』
中心で光り輝いている人
みんなの憧れ
太陽のような人と言われたかった時代もあった
自然に人が集まる家
そんな家の主も憧れた
でも年齢を経て気づいた
本当の望みは全く違っていた
人目につくのも苦手
誰からも頼られず、依存されず、自分一人で完結していたい
だから『太陽のような人』でなくて、本当によかった
真に望んでいる自分そのものだったんだ、きっと最初から
その自分を認めさえすれば