小学生の頃だっただろうか、家族で習慣的に見ていたアニメの中で、私はあるキャラが嫌いだった。そのキャラが出る日は見ないと言っていたくらいだった。
あの頃の私へ
そのキャラは数年後、あなたの最推しになります。
なんで嫌いだったか知らないけど、今は嫌いでいいから、見なくていいから、録画だけしてもらえませんか。
どうか、どうかお願いします。
ーあの頃の私へー
私は、クールで、凛としてて、何があっても動じず淡々としていられるようなかっこいい女性が好きだ。でも同じくらい、素直で、感情表現が豊かで、天真爛漫な可愛い女性も好きだ。どちらにも憧れる。
双方の悪いところを組みあわせて出来上がった中途半端なのが今の私。変わりたいとは思うけど、なかなかうまくはいかない。
でも今の私も、そんなに嫌いじゃなかったりする。
ー理想のあなたー
趣味で繋がる、的なアプリをやっていたとき、仲良くなった人がいた。
毎日たくさんお話をした。ある日、「明日学校何時に終わる?」って聞かれて、答えたら、「終わったら連絡して」って言われて、私との会話を楽しみにしてくれているみたいで、私を必要としてくれているみたいで、日記に書くくらい嬉しかった。
なのに数日後、突然返信が来なくなった。
ブロックという手段もあったから、嫌われたわけではないと信じたい。
私はその人に何日も何日も、何日も何日もメッセージを送り続けた。今まで話していたような、他愛のない内容を。
今思い返すと、相当気持ち悪いことをしたなと思う。当時の私はそんなことをしてしまうくらいその人に執着していた。
でも、それは私だけで、その人にとって私はどうでもいい存在だったのだろう。
それだけが今は、ただただ悲しい。
ー突然の別れー
私は未だに恋をしたことがない。正確に言えば、実在する人間に恋をしたことがない。
私の好きな人はいつも恋物語の中にいて、振られることすらできない恋を繰り返している。
こんな私もいつか、誰かの恋物語のヒロインになれるのだろうか。
ー恋物語ー