東京ってカバン開いてても誰も教えてくれない。悲しかったから、あたしはちゃんと言おうって決めてた。
今日エスカレーターの前の人がカバン開いてて、登り終わったら言うって緊張しながら待ってた。
「すいません」
相手は50代ぐらいの仕事帰りの男性。エスカレーターでは本を読んでた。

「お鞄開いてますよ」って声かけたらパパ活の勧誘だと思って断られた。びっくりした。頭が真っ白で、何も言えなくなった。

自分の人生の大半を否定された気がした。
主婦の飛んでったレシートを拾って届けたことも車なくても赤信号なら渡らないことも、全部。今まで大事にしてたことが崩れた。悔しかった。

言っても伝わらないことがある。
伝えられなかった方が悪い。でも、言い訳をする気力も体当りして傷つきに行く勇気もなかった。話を聞いてもらえず邪険にされたらもう立ち直れないと思った。

牛乳の味が夏と冬で違うって聞いた。お父さんは賛同してたけど、ほんとにそうなのか、あたしは自信がない。機械で数値が違えば本当なのかな。違いあるかどうか自分の舌で、感じたことだけで終わりたいな。終わる勇気をもつ。

裸足でいいのは足つぼくらい。痛かったら靴はいていいよ。

全部喋っちゃった自分の嫌なところを
マイナスプロモーション。こっから上がるだけ

スマホの充電がないと、どこにも行けなくなった。帰るときも来た道を覚えてない、覚えようとしてない。どんな匂いがして、何に心を動かされて、曲がりたくて曲がった道なのかルート通りだったのかすら考えてもいない。無視しないで