小学生の頃、なんか人を怒らせるの好きで。怒られるのは嫌いだから、怒らせても怒らない人だけに正論とか言ってたんだけど。その子はすごく静かに怒る人で今怒ってるんだろうなーって分かる人、顔がピリついてて言葉が少なくなる感じ。負けたなぁって思った。正論ぶつけてる私は子供だし、静かに怒ってるのは優しくて大人だった。甘えてたのかも同級生にさ笑、めちゃくちゃ子供だったね。
2人で散歩していた。寮の近くの蓮池がある公園。薄暗くて枯れてるかどうかも正直見えない。お調子者のお前が急に黙りだす。
「7月はあんな綺麗だったのにね〜」
上着のチャックを上げながら話しかけた。平静を装ったけど嫌な余寒がした。
「俺、本命落ちた。」
「…そう」
私大志望だったんだ。何も知らなかったな。知らないは無責任か、自分から遠ざけてたくせにな。志望校聞いても上手い返事ができるか自信なかったし、あいつも何かそんな感じだったから、あえて言ってなかったのに。今なのかよ。俺は発表明日だぜ?俺になんて言ってほしいんだよ。でも、そっか。
"Out of the blue-突然に" こんな熟語思い出して伝えても何だか全部遅いよな。お前が私立だって知ってたら俺、もっとお前と一緒にへんてこな英単語とか教え合ってたよ。
大学進学するとこ一緒なんだから、いま無理に会わなくてもいいじゃんってさ、つれないなぁ。新しいコミュニティが出来た君は知らない君になる。今ここまでの君ともう少しだけ一緒にいたい。
高校で長い時間一緒にいた友達は、普段ならあたしが仲良くならないような人で、寮で唯一同学年で同性だったってだけの人。朝は起きないくせに30個くらい目覚ましかけるし、思ったこと全部言っちゃうし、好きじゃないところの方が見つけやすい。
高2の夏、彼女は花火が見たくて泣いてた。
部活も頑張りたいけど、花火も見に行きたい。もし、一人暮らしじゃなくて親と住んでいたら車で会場まで送ってくれたかもしれない。でも、この高校に来たいって決めたのは自分だから。悔しいって泣いてた。
彼女と会えてよかったと思った。
花火を見ると彼女を思い出す。見れてないのに、高2の夏といえば花火が浮かぶ。
涙があってよかった。言葉以外でも想いを伝えられる。暴力的なところが海と似てる。