君を見たんだ。
雲を貫いた光芒が、僕の胸まで迫って。
君の背中に照り付ける光で
焼ききれた心臓を貪るみたいに僕の目を奪った。
明日が言っていたんだ。
僕らの進む未来は、いつの日も絶望ばかりだと。
それに昨日、太陽が初めての挫折を覚えたらしい。
どうだろう?
それでも君との明日を望むのは
僕にしては少し希望的すぎるのかな。
どうしても諦めきれないから
明日だけは、この僕の隣を怠惰に歩いてて欲しいんだけど。
君はどうしたいの。
世界を脅かすほどの存在になれればな。
なんて考える日も少なくない。
だけどもちろん、僕はそれほどまでに出来上がった人ではない。
何も持っていないのに、全てを捨て去ってしまいたいと願う。
君がいたあの頃の青。
みせてくれたあの大きな青。
心動く波模様も、海は別に何も持ってなどいなかった。
僕らを引き止める地面の、焼けた匂い。
いつだって、ここにいれば。
ここにいる以上は、僕らずっと何かのモノで、一部。
何も持っていなくて、当たり前なんだ。
今日はここで、ひと休みしよう。
手を繋いで思い出す。
とてもじゃないけど、この世界は広い。
僕らが見上げた空よりも。
僕ら二人のてのひらよりも。
なのに、君の手の方がよほど暖かくて。
その度に夜空を貫いた君の瞳を思い出す。
抱きしめる世界は諦めて、君の小さな安らぎの中で眠る夜に、ずっと憧れている。
溜まる涙が、今日は冷たい。
いつか大人になった時、いつの間にか大人になった時
僕らは何を思うだろう。あっという間に、時の流れから振り落とされ、残る自分に問いかける。
空っぽで、何も無くて。
ちっぽけで、薄っぺらくて。
何も持っていないことに気づくのかな。
誰かがくれた思い出を、自分のモノにするんだ。
残されたのが大嫌いな自分なんて、耐えられないもの。
夢は地面に埋めて、出来合いの今を食べてみて。
おなかの中で、死んでくのかな。
大人に、なれるのかな。
はぁ、
反転した世界に惚れてしまったら。
僕はどうやって明日を紡げば良いのだろう。
星嫌いの僕を星好きにさせたあの夜空はたしか、偶然の星月夜だった。
あぁ。君は、そこに居たんだね。