ケーキとプレゼントを持って歩いている父親がいた。
『ケーキとプレゼントも予約して、買ったからバッチリだな』
すると、黒いラジカセを持ち、サングラスをした
ラッパー風の男が現れた。
『ヘイ、ソコノオトウサン、ワスレモノシテナイカイ!』
『なんだ、なんだ』
『アナタノ、オコサンノ、タンジョウビハ、
イツデスカ』
『12月25日です』
『アナタハ、クリスマストタンジョウビヲ、
イッシヨニシテマセンカ』
『はっ!でも、でも、最近、不景気だし』
『ヘイ、オトウサン、オコサンガ、プレゼントヲ
フタツモッテ、ヨロコブスガタ、ミタクナイ!』
『くっ、みっ、見たい!ありがとうございます!俺、これから、プレゼント買ってきます!』
『ゴー、ゴー、』
『もしかして、ラッパーさんの誕生日は、クリスマスですか』
『10月8日です』
プレゼントを貰ったら、返さなきゃいけない。
100人から貰ったら、100人に。
人気者にプレゼントを渡した。
喜んでくれるかな。覚えていてくれるかな。
いつか、お返しがくることを信じて、
私は、いつまでも、いつまでも、待っています。
ゆずとみかん、どっちを多く食べたかの質問には、
誰もが、みかんと答えるだろう。
皮をむくだけで、食べられる。
みかんを食べるために、育てるのか。
みかんを育てるために、食べられるのか。
食べられて、種を残す、育ててもらう。
恐るべし、みかん。
だが、ゆずよ。
お前は、二番手な気がするが、
匂いは一番好きだ。
仕事の帰り道、ちょっと家賃の高そうなマンションの入り口に、鳥の死体があった。
びっくりして、何度も見た。
胸に穴が空いており血が出ていた。
色や形が見たことなく、写真に撮って、
調べようと思った。
が、携帯のフォルダに入れたくないと思い、
撮らなかった。
次の日、鳥は消えていた。
図書館に行って、鳥の図鑑を見た。
あの鳥のような鳥はいなかった。
少し、ホッとした。
小さい時は、目覚まし時計ではなく、勝手に起きたか、母親に起こされた。
今は、携帯に起こされている。
たまには、誰かに起こされたいものだ。