「好きです、付き合ってください」
「…ごめん、彼氏、いるから」
そう言われた瞬間、体が軽くなった。
糸が切れた感覚、と言ったほうが伝わるか。
頭が追いつかない、けど振られたことは確かで…
考える間もなく彼女は立ち去る。
僕は今日、失恋した。
さっきまで彼女のところに続いていた道は、
突然、目の前から消えてしまった。
今まで歩いてきた道を振り返る。
毎日会うのが楽しみで、
気づけば目で追っていて、
彼女の声はすぐ耳に入ってきて、
目が合えば恥ずかしくてすぐそらして、
1日1回話せただけでもすごく嬉しくて、
いつも遠くから見てた彼女の笑顔は特別で…
隣に居れたら僕はすごく幸せなんだろうなって。
でもそれは叶うことはなかった。
「…明日、学校休もうかな」
気分転換にちょっと出かけようかなんて思ったり。
今は気持ちに身を任せてもいいかもしれない。
そうゆう気分だから。
すぐには忘れられないかもしれない。
だから少しずつ前を向いていけたらいいな。
恋愛は、終わりなき旅なのかもしれない。
ふと、そう思う僕だった。
「お前いつも謝りすぎじゃね?すぐ謝るじゃん笑」
先輩はそう言った
「なんでもごめんって言うのやめろ〜」
先輩に言われて初めて気がついた
「え?私、普段そんなにごめんって言ってます?」
「おん、言ってる言ってる
たぶん口癖になってるんだろうな、ごめんが」
「直したほうがいい、ですよね…?」
「そうだな、ごめんの代わりになる言葉探せば?」
「え〜、例えば?」
「それは自分で考えろ笑」
「……悪いんだけど、?」
「違うなー」
「ごめんだけど、は?」
「変わってないなぁ〜
まぁ、とりあえずごめんは禁止な」
「できるだけ言い換えるように頑張ります」
「おう」
〜後日〜
「先輩!ごめんねの代わりの言葉見つけました!
ごめんねの代わりにありがとうって言います」
「お〜、これからそれ意識しろよ」
「はい!」
「…前より少しだけいい女になれたじゃん」
「っ、ありがとうございます//」
「なに〜?照れちゃってんの〜?笑笑」
「うるさいな!なんでもないです!」
「まぁ頑張れ〜」
「…ありがとね」
「おう!!」