ふっ、と息が漏れる。
やけに冷たい朝を見つめ、伸びきった袖で結露で見えない窓を撫でる。窓越しに濁った空が見える。
今日は曇りかな、なんて思いながら
ぼーっとする頭をなんとかしようと玄関で靴を鳴らす。
外はまだ薄暗い。
いつもの公園にいこうとしたのがまずかった。
もうすぐ公園に着く、というところで奇妙なかたちをした看板を見かけた。「」。それには何も書いていなかった。
冬ということもあって余計に冷える。今日の昼の予報は
晴れなのだが、それが嘘なのではないかと思うほど。あ
れには意味があったのだ、今思えば。
にんげんである以上、知識欲には逆らいがたいもので、
はーっと白い息を吐き、口の前に手をあて温める。
看板をたくさんの方向から眺めてみる。やっぱり、看
板には何か書いてあるどころか傷一つない。不気味
に思ったが、なぜか逃げる気になれない。あのまま、ぼ
おだちしてどれだけたったろう。どれだけにげたくても
きもちが、きもtが。kmtggggいきさえとまりそうd。
をあうおあいえおあいまはそらのひかりがこkちいい。
ついでにいいあうええおえお、かんばんはりせいすら
けしさってしまうよう
て゛
。
冬晴れの予報の日の早朝、空が濁っていたら昼まで外にでないことを強く勧めます。
寒さを訴えていたときから語り手本人の潜在意識が警告していたのですから。
是非、縦読みしてみて下さい。
ね。
なにが、「幸せは歩いてこない」だ。
幸せに繋がることだと信じ選んだ選択肢の先には
幸せなんてなかったくせに。
あんなに幸せだったのに更に幸福になろうと踏み出した瞬間全て失い、また闇を彷徨うことを強いたくせに。
あんなに、空は輝いているのに。
まだ、輝き続けるはずだったのに。
幸せの定義は分からない。
ただひとつ。
ただ一つ明確なことがある。
それは幸せのため信じ進んだ故に手に入る景色。
それは失い彷徨い続けたものの特権。
空をみてごらん、
目に浮かぶ水が零れないように。
涙で滲んだ星空ほど輝くものなどないだろう。
幸福を前にし歩みを止めた愚者の見る太陽より、
彷徨いながらも歩み続ける星空の方がどれほど素晴らしいのだろうか。
どんなに考えたとて、それは一つに定まらない。
けれど、それでも。
幸せ···心が満ち足りているさま。· 幸福。幸い。