裏の実で表、無し
終わらない問い
例えばどんなに我々が一生懸命考えようとも絶対にたどり着けない答え、我々の一個上の次元の世界の話とか、死んだ後の世界の話とか。
無いと思う。所詮我々人間が思いつく程度ならそれは違うんだとは思う。意味とか整合性とか少しでも持ち出した時点で、そんな話ではないで終わり。
そんなことは全部わかった上で考えることを楽しみたいが為ってだけで、天国と地獄のシステムを本気で想像してみる。
半分か、上位3分の2か4分の3か、あるいはもっとか、知らないけど決められたラインから上なら天国下なら地獄。加点方式か減点方式かあるいは両方か、とにかくまっぷたつ2カ所。天国では天使から施しを受けられて地獄では鬼から拷問を受ける。正反対すぎるからもしかしたらグラデーションかもしれないけど、本当にきっかり分けられるとしたら、当然ぎりぎり天国だった奴ぎりぎり地獄だった奴がいることになる。
ぎり地獄だったら最悪だよ。後1回ポイ捨てしなければとかそんな程度で今後生まれ変わるまでの生活が地獄。入り口でまず門番の鬼に同情されるよ、なんか前世の行いがリスト化されてる紙みたいのでチェックされて、ん?こいつこっちか?あーなるほどこれがこうだからギリ地獄か可哀想にって。んで毎日何箇所も拷問を受けるために回るんだけどその度に鬼から自分の情報を確認され皆に同情してもらえて、地獄では一番優しくて良い人だから、周りの地獄にいる人たちからもなんでお前ここにいるんだよ!絶対間違えられただろ!みたいに愛あるイジリをされ、段々拷問も受けなくても見逃してもらえるようになり、きっと最速レベルで拷問する側の鬼にしてもらえるでしょう。最初は最悪だと思っても、地獄では皆に愛される人気者で、思ったより地獄じゃないかもしれない。
ギリ天国だったら最高、それもきっとはいる直前に知る、天使の微妙な表情で、ん?こいつこっちか?ああなるほどギリね、みたいな。あっぶねーラッキーと思ったのもつかの間、天国の中では一番の性悪、きっと馬は合わないし、施しをしてくれるはずの天使も、みんななんでこいつにみたいな態度が透けて見える。あんまり馴染めなくて、思ったより天国って天国じゃないなって思いそう。
結局ギリギリだった人達も良い感じに見合った生活をおくれそう。
家を出る直前に聞こえた音が、自分の家の玄関のチャイムだと気づくまでに少し間があった。物騒な世の中だ、そこまでの悪でなくとも面倒なのも嫌なのでインターホンを1回確認しようか一瞬悩んだものの、めんどくささが勝ったのでそのままドアを開けた。
赤い羽根募金の集金だった。かばんから財布を取り出し、丁度500円玉があったので手渡す。毎回思う、これはどこまで強制なのだろうかと。たった500円、されど500円。当たり前のように集金に来られると断りたくなってしまうのだが、ここで500円を惜しむとなんだかそれ以上のものを失う気がするので大人しく払う。ようはただの小心者だ。
そしてもう1つ、代わりに貰った赤い羽根を見て思うこと。この費用無駄じゃないかと。原価なんて大したこと無いのかもしれないがゼロなわけない。これが貰えて嬉しいのは小学生までだよと、風で揺れる羽根を見て思ったりする。