Ryu

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7/25/2024, 1:23:40 PM

かごの中の鳥は、果たして幸せなのか。
自由に空を飛ぶことが出来ない。
だが、食事や環境が約束される。
上げ膳据え膳だ。

そもそも、大空を飛ぶことなど、考えたことすらないのかもしれない。
生まれた時からかごの中で育てられてきたのだとすれば、さもありなんだろう。
大空に怯えるかもしれない。
生活が保障されず、様々な敵が待ち受ける、大空に。

鳥かごの中が一番だよ。安心して暮らせる。
新しい何かに挑む必要もなく、昨日と同じ今日、今日と同じ明日。
そしてこの鳥かごが、あらゆる脅威から守ってくれる。
かごの中の鳥は、間違いなく幸せだ。

ある日、鳥はかごから逃げ出した。
ほんの一瞬、目を離した隙に。
大空に飛び立っていった。
何の迷いもなく。

7/24/2024, 11:17:26 AM

大学を卒業してから、三十年以上会っていない友達の訃報を聞いた。
偶然、共通の友人だった人と再会した折に。
少し神妙に、そっか、知らなかったな、と返したものの、特別な感情は湧かなかった。
確か、仲良かったんだけどな。

大学時代、お互いの彼女を連れて、四人で遊んだっけな。
サザンが好きで、湘南に憧れて、中古で買ったポンコツ車で、江の島までドライブした。
帰りのガソリン代が危うくなって、なけなしの1000円分給油して、何とかギリギリで家に辿り着いた。
今はもう、満タン給油が当たり前。

飲み会の後は帰りたくなくて、ガードレールに座って朝まで話し続けた。
話した内容なんか覚えていない。
きっと、今の自分にはどうでもいいこと。
でも、あの頃の自分達にとっては、熱量ハンパない話題だったんだろうな。

俺が彼女にフラれた時は、夜通し男二人でカラオケで歌った。
サザンばっかりだった。
いとしのエリーとか歌っても、歌が下手すぎて何の感情移入も出来なかった。
でも、しんみりすることもなくて、それが逆に良かったんだよな。

ほら、たいした思い出もない。
あいつの顔だって、ぼんやりとしか覚えていない。
だから、そっか、で済ませたんだろうな。

夜、昔の写真を引っ張り出して、あいつの顔を見つけた。
何故だか分からないが、とめどなく涙があふれ出した。

7/23/2024, 2:19:48 PM

花咲いて、枯れる。
その短い時間に、人は花を愛でる。
人も生きて、死んでゆく。
その短く大切な時間に、人は人を愛する。

イイ人生だったなと最後に思えるのは、この時間をいかに、人を愛し人に愛されることに費やせたか、ではないだろうか。
愛するとは、甘い言葉やイチャつくことじゃない。
いや、それもアリだが、家族で夕飯を食べながら今日の出来事を話したり、夕食後に皆でボードゲームを楽しんだり。
家族でなくても、恋人でも友達でもいい。

とにかく誰かと繋がるべきだと思う。
花だって、基本群れて咲く。
皆で咲き誇って、枯れていくんだ。
それはイイ生涯じゃないか。
どうせ咲くなら、一輪より大輪の群生の方が、見応えがある。
見応えのある人生、それはきっと満足できるものになるだろう。

花咲いて、枯れるまでの命を味わおう。
それしか出来ないんだから。
そのために生まれてきたんだから。

7/22/2024, 12:08:51 PM

もしもタイムマシンがあったなら、
優しかったあの人に会いに行きたい。
もう、会うことの出来ないあの人に。

あれから、二十年も経つのか。
あの頃は幸せだった。
優しかったあの人がいて、僕の隣でいつも笑っていた。
でも今はもういない。
これから会うことも叶わない。
こんな試練を与えた神様を呪うことしか出来ない。

今でも夢に見る。
二人で旅行に行ったね。
買い物をしたり、映画を観たり。
幸せな夢のすべてに君がいた。

楽しい夢の途中で叩き起こされ、掃除の邪魔だと部屋を追い出される。
旅行も行かずテレビの前を陣取り、お菓子を食べながら面影を消してゆく。
買い物も行かずすべて私に託して、映画より昼のメロドラマにハマっている。

もしもタイムマシンがあったなら、
優しかったあの人に会いに行きたい。
二十年前の妻に。こんな女性になる前の君に。

7/21/2024, 2:46:47 PM

今、一番欲しいもの。
名声…はいらん。
賞賛…も欲しくない。
そっとしておいて、欲しい。
結局世の中は、上げて、落とす。
ならば、底辺にいるのも、悪くない。

底辺なりに、欲しいもの。
それは、愛だ。
愛は、頑張れば、タダで手に入る。
自分も愛を与えれば、その愛が歪んでいない限り、それなりに返ってくる。
お金でプレゼントを買わなくても、心さえ通じ合えば。

これが、人間ならではの欲望。
一番欲しいもの。
だけど、欲望のままに求めても、きっと心は通じ合わない。
一方通行になる。
お金やモノで何とかしようとする。
本当に、そこに愛はあるんか?って、感じ。

目に見えないからこそ、伝わらない。
だからといって、お金やモノでは勘繰られる。
ならば、行動か。
ウザがられるか。
底辺だからな。
でも、愛が欲しいから、やるしかないじゃないか。

行動のひとつ、言葉だ。
愛を与えるのも受け取るのも、言葉ひとつで可能になる。
今、一番欲しいものは、言葉で手に入る。
だから、本当に今一番欲しいものは文才かもしれない。
読み直せば、こんな拙い文章を書き連ねるものでなく。

ウザがられるのは覚悟の上だ。
愛を言葉で伝えよう。世界中の人々に。
そのための便利なツールだってあるじゃないか。
底辺だって使える素晴らしい世の中だから。
誹謗中傷や罵詈雑言を、すべて愛の言葉に変えて。

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