カタカタとキーボードのタイプ音がひとつの部屋に鳴り響く
今日もまた残業か〜なんて1人で凹んでいたらこれもよろしく、とどさりと書類が机の上に置かれた
積まれた紙を眺めながらこれは今日中に帰れるのかなと考える
私がもしこの会社のトップなら。
私がもしこの世界のトップなら。
と現実にほぼなりえないことをカタカタとタイプ音を響かせながら今日も考える
ひとつの部屋のひとつのタイプ音
今日、小学校時代からの付き合いの友が遠くへ引っ越してしまう。
遊んでいたらもうこんな時間。
私は帰らなきゃだし、友達は駅に行かないといけない。
もう会えないかもしれないんだ。
友達が別れを告げようとしたところを割り込んで、駅まで一緒に行くことを告げた。
友達は泣きながらありがとう、と感謝の言葉を発していた
友達のご両親と合流して、電車に乗った友達。
ドアが締まる直前で
「こんな私とずっと遊んでくれて、友達になってくれてありがとう。」
と涙を頬に伝わらせながらこちらに微笑んでいた
泣かないでよ。
そんな事言わないで。
私まで泣いちゃう。
止めたくなっちゃう。
本当は行ってほしくなんかない。
ずっとこっちにいて欲しい。
行かないで。
そんな私の願いは、電車の音と共に消えていった
行かないで
最近肌寒く感じる
もう秋がすぐそこみたいだ
秋服着るの楽しみだけど夏服をしまってしまうのは少し寂しい
そんなことを思いながら夏服をしまった
バイバイ夏服
また来年会おうね
衣替え
私の夢は歌手になること
理由は歌が好きだから
聞くのも歌うのも大好きだ
歌っていると時間を忘れられる
嫌な思い出も全部忘れられる
辛いことがあった時、私は好きな歌を声が枯れるまでずっと歌う
今日とても辛いことがあった
初めてこんなに辛くなった
私は鼻をすすりながら歌を歌う
声も命も枯れちまえ
もう全てどうでもいいんだ
声が枯れるまで
長いドレスのスカート
長いベール
みんなの祝福の声
チャペルの鐘の音
私は本日結婚しました
私にはもったいないくらいの夫と
両親も快く同意してくれて、ドレスも一緒に見繕いに行ったりして
義両親もとても親切な方で
太陽の優しいやわらかな光がまるで祝福してくれているように思えるくらい私はとっても幸せ
やわらかな光