NoName

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2/29/2024, 11:03:34 AM

列車に乗って行ったのは田舎のおばあちゃんの家。
小さなポシェトとお土産で買ったイチゴジャムのサブレ。
おばあちゃんの好きなお菓子だ。
おばあちゃんとは小学校に上がる前までは一緒に暮らしたいた。
しかし、入学と同時に引っ越すこととなったのだ。
都内からおばあちゃんの家までは2時間位はかかる。
そのため一人で行くことなんてこれまで無かったが、小学校6年生にもなればお母さんが一人で行くことを許してくれた。
おばあちゃんは喜んでくれるかな。
びっくりするかな。
そんなドキドキとワクワクした気持ちとほんの少しの不安をポシェットに詰めて、おばあちゃんに会いにいく。

2/29/2024, 9:59:43 AM

ここはどこだろう。
私は会社に行きたくなくて仕事を休んだ。
コトコト電車に揺られていると、次第に人は減り駅も無人駅が増えてきた。
なぜ自分はこんななのか。
仕事をしなければ生きていけない。
でも、会社に行きたくない。
視界が歪み、気がつけば頬を涙が伝っている。
しかし、この街で自分を知る人間など一人もいないんだと思うと、なんだか心が軽くなってくる。
ふと、視界が開けた。
山を超えたそこは海だった。
青々とした地平が陽の光を浴びてキラキラと光っている。
しばらくそんな景色を見ていると、心が少し軽くなった。