6/30/2024, 1:47:45 PM
自分の手を見る
運命の赤い糸
先に誰がいるのか
そもそも結ばれているのか
分からない
しかし、
指には沢山の糸が巻かれていると
そう感じる
この学校に行ったから
出会えた友達
あの時勇気を出して踏み出したから
出会えた先輩.同僚
あそこであぁしていたから…
縁は沢山結ばれている
刺繍糸や毛糸、今にも切れそうな糸
人生を紡いでいく間に
切れたり、切ったり、
結んだり、結んでもらったり、
解いたり、編んだり
そして、最後に人は
大きな糸玉になるのだろう
出会えたのは偶然
でも、偶然にしては出来すぎている
そんな偶然に「運命」なんて名前をつけて
愛おしく思い
自分は仕合せ者だと
糸の先にいる人々に感謝し
自分の手を握る
〜赤い糸〜
6/30/2024, 5:05:14 AM
平日 昼下がり
都市郊外へ向かう電車
人気は少なく
並ぶ住宅は眼下にある
ふと、スマホから顔を上げる
スクリーンいっぱいに映るは
青色背景に積乱雲
そこは特等席となった
意識が
景色に飲み込まれていく
しばらくして、辺りを見渡す
数少ない乗客は
スマホに夢中だったり、
夢の中だったり
今 この景色を独り占め出来ている
その贅沢さを噛み締めて
もう一度スクリーンに目をやる
「ビルや電柱もない昔の広い空に
こんなに大きな雲が現れて
大雨が降らされたんじゃ
"入道"なんてつけるのも分かるな」
そう考えてから
再びスマホに目を落とす
〜入道雲〜