『たとえ間違いだったとしても』
ただ大切な人を守りたくて、
ただ君の傍にいたくて、
君の選んだ道についていくことを決めた。
それはあまりいい道とは言えないけど、
君の道がたとえ間違いだったとしても
俺の判断が間違いだったとしても
世間の間違いよりも、自分の意志を貫きたいんだ
『何もいらない』
現実は辛いことばかり。
どれだけ逃避しても変わらない苦しさ。
今、生きていることが苦しい。
なにをする気にも、なにかに興味も示せない。
食事も、娯楽も、この命ですらいらない。
今の自分には何もいらない。
そんなことを考えても、死ぬ気力もなく、
本当は怖がって…
いらないと言いつつ捨てきれない。
『もしも未来を見れるなら』
君と過ごす時間。
君と約束したこと。
君と僕との未来。
すべて過去のものになってしまった。
一緒に笑って
一緒に悩んで
一緒に幸せな未来を歩みたかった。
まだまだこれからだったのに。
もしも君との未来を見れたなら、きっと幸せだっただろう。
僕の時間は止まってしまったけど、君の未来が幸せでありますように。
『無色の世界』
子どもの頃はいろんなことが新鮮で、色彩豊かな世界はなんでも輝いて見えた。
なりたい夢もあった。
成長するにつれ、世界は色を失っていった。
毎日代わり映えのない一日が過ぎていく。
夢なんてとうに忘れた。現実と向き合うだけで精一杯だ。
無邪気な子どもたちを見ると少しうらやましくなる。
俺の世界にまた色はさすのだろうか。
少しの色を求めながら、まだ色のない一日が始まる。
『桜散る』
新年度。新たな場所で、新たに出会う人たちと、新たな生活を始める時期。
そんな俺も社会人になった。
朝起きて、スーツを着て、出勤する。
早く出たのをいいことに、いまだなれない会社までの道のりをゆっくりと歩く。
まだ大きなランドセルを背負った小学生、まだ新しい制服を着た学生、初々しい姿が通り過ぎていく。
桜が散る中、歩いていく彼らに過ぎ去った青春を思い浮かべる。すでに懐かしい友達との日々。
桜も終盤。葉桜も見えだしている。
俺も新しい葉をつけて成長していけるように、移りゆく桜と子どもたちを見ながら気合いを入れる。
「よし!頑張れ、俺!」
進む足取りはさっきよりも軽く、しっかりと踏みしめていく。