今の惨めな状況も最初から決まってた。
いつまでも変わらない自分でいる限り、
最初から決まってたことだった。
自分に必要な困難が訪れているわけで、
このままでは生きていけないことを困難が教えてくれている。
変わらない限りもっと大変な困難が舞い込んでくる。
その前に変わろう。
早い方が楽。
覚悟を決める機会を困難が与えてくれたと思おう。
太陽と聞いてソーラーパネルを調べてしまう。
電気代節約対策に燃えている自分は
すぐ何か有効活用できないかと考えてしまう。
バッテリーをソーラーパネル付きのものに変更しようかな…
でもすぐに立ち止まる。
今のバッテリーはどうしようか。
ものが増えるのは煩わしい。
でも、ものを捨てるのは罪悪感。
こんな葛藤を数秒で繰り広げてしまうほど、
今日も頭の中は騒がしい。
鐘の音。
終わりの音?始まりの音?
人生の鐘が鳴った時、
これまでの人生とは決別し、
新しい人生が始まる。
変化を受け入れた人々への祝福の音。
つまらないことでも一年二年続ければ、
特別なものに変わる。
つまらないことであればあるほど続ける人は少ないから、希少な存在になる。
続けることが一番大切。
冷たい風が吹く中、暖かい陽気が照り出し、心地よい温度を保っている。
騒々しい駅構内に電車が到着した。
一つに括った髪に寝癖が残るスーツ姿の女性は
列に着いて電車に乗り込む。
電車は人で満たされ入る余地がない。
が、次々と乗り込む人により前に押し込まれる。
いつもの光景だ。
夜遅くまで残業が続き、寝不足のせいで吐き気がするところまでがテンプレだ。
(旅路の果てに何があるんだろう…)
ふと思う。
(さすがに疲れているのかも…)
今の仕事は好きだけど、
趣味や自分の時間に費やす暇がない。
毎日職場と自宅の往復で、
さすがに気が滅入ってしまったのだろう。
人の隙間から微かに見える窓に光がさす。
内側から込み上げる虚しさに、ただ立ち尽くすだけだった。