セイ72

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4/8/2023, 11:27:00 AM

『これからも、ずっと』4/8

 
 「あぁ~あ、また殺されだぁぁーーー!」

 節操もなく地面で暴れるコレは、
 不老不死の化け物だった。
 
 少しは優しく殺してよ。
 そんな風に言う君を、私は笑う。

 「もう、死にたいよ。殺してよ」
 
 あんな、弱っていた頃が懐かしい。

 私が、酷い殺し方をする内は
 勝手に死なないでよ?
 
 

4/7/2023, 11:31:38 AM

 『沈む夕日』4/7

 1日が終わるのはいつ?
 時計の針が0時を回った時、眠った時、、、
 
 1日が終わらないで欲しい日もあれば、 
 早く過ぎ去って欲しい日もある。

 はぁ、と溜め息を吐きながら
 私は夕日を眺めている。


 「今日も、1日が終わりかぁ」

 今日も、私という存在が消えて
 薄れていくんだと夜を向かえて思う。



 
 
 
 

4/6/2023, 11:00:00 AM

 『君の目を見つめると』4/6
 
 「私、瞳占いができるの!」

  友人は、いきなりそんなことを言い出した。
  いや、瞳占いって何?

 「手相占いとか、星座占いとかあるじゃん?
  それと同じだよ!?」
 
  意味が分からない。
  というか、眼を見て何が分かるっていうんだ。

 「分かる、分かる。
  例えば昨日の睡眠時間とか?」

   おぉ凄い。
   でも、占いって過去を見るものだっけ?

 「まぁまぁ、物は試しだよ」

   友人は、前髪が触れ合う程近くに
   寄って、私を見つめているのだろう。

 「え、好き」
 
  文脈がおかしい。

 「瞳って、鏡になるんだね。
  私、めっちゃ可愛いわ」

  はいはい、かわいい、かわいい
 
  私は適当な事を言った。
  私の目は、何も見えていないのに

 

4/5/2023, 10:57:24 AM

 『星空の下で』4/5

 
 もし、星に手が届いたらのなら
  私は、それを海に投げ入れよう。

 最初は、キラキラと輝いていたけど、
  時期に、暗闇に消えてしまう。
 
 
  波の音だけが聞こえる。


  顔をあげ、空を見る。
  星は降ってこない。


 私は、海に反射する星を手に取った。
  冷たくて、すぐに消えてしまった。


 もし、星に手が届くのなら
  暗く冷たい、海に温もりを与えたい。
 
 


 

4/4/2023, 11:02:26 AM

 「それでいい」4/4

 赤、青、黄色と導線の繋がれた
 デジタル盤の表示が一分を切った。

 「ほ、本当に赤でいいんですね!」

 
 私は、震えた手でニッパーを持ち
 赤色の導線に切り込みをいれる。
 
 パチンッ、心臓の止まる音がする。
 

 デジタル盤の数字が止まって、
 私の時間が動き出す。

 「ふぁぁぁぁ~
  焼き肉行きましょうよ。先輩の奢りで」

 『はいはい、それでいいよ』


 
 
 

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