【未知の交差点】
君と僕が交わる場所があるとしなならば、そこはたぶん誰も知らない未知の交差点。だっで君も僕も、そもそも同じ時代(とき)を生きていないのだから、本来ならありえないことでしょう?
それでももしも君と僕が出会うことがあるのなら、それはきっと世界いの歪みか、世界の終わりか…。
ふふふ…勇者と魔王なんて、いつだってそんなものだよ。
いくら僕が君を愛したって、いくら君が僕を愛してくれたって、世界がそれを許さないのだから。
だから僕らは交わらないほうがいい。
誰も知らない未知の世界…すべてが終わる最期のときに、ようやく僕らは出会えるのだから、僕は静かにそのときを待つだけのことだよ。
そしてそれは、君もきっと同じだろう…?
【秋恋】
穏やかな春の恋を迎え、
激しく暑い夏の恋を知る。
秋の恋はただ静かに君を知り、
厳しい冬の恋を乗り越える糧とする。
【愛する、それ故に】
あなたを愛する、それ故に
わたしはあなた以外を愛せなくなった
【静寂の中心で】
静寂の中心で、ぽつりと佇む。
君はもういない。君の生はもうここにない。
―――君は、今世の全てを終えたから…。
此度もまたかすり傷ひとつ残らなかった。忌々しいほど滑らかで、規則正しい振動を重ねる。けれどそれでも君は無駄だと知っていて、また繰り返すのだろう。
…いいよ。君と違って私には永遠がある。また君を探すのは大変だけれど、なにすぐに見つけてみせるさ。
君は私にとって………なんだ?
うーん…退屈しのぎのひとつかな?
それでも君と過ごす時間はとても楽しいから、まあいいか。それこそ退屈なぞ無縁だよ。
―――ああ、また歯車が回り始めたね。
これで君もまた新たな生を受けるだろう。
…さて、それでは君を探しに行こうか。
ここは………静かすぎるから。
【燃える葉】
燃える葉、火柱を上げる樹木、美しい庭園は火の粉に彩られ、わたくしの愛した邸宅が崩れ落ちる。
都は荒れ果て、人々は逃げ惑い、僧兵が大路を駆けずり回る。刀を振る彼らは、老婆を切り捨て、幼子を刺し、屍を踏みつけながら御所へと向かう。
のちのちの歴史よ、語るがいい。
いくら平家が悪しく描かれようと、いくら木曽が源氏が持て囃されようと、小さな真実はここにある。大きな歴史の前に、わたくしの真の歴史はここにある。
わたくしは平家の女ではない。けれどわたくしの夫はかの棟梁となるべきお方のお側に仕え、その強さと誠実さを誰よりも知っているのです。
だからこそわたくしはこの歴史を伝えたい。
小さな歴史を、決して忘れてほしくはない…と。