【お題】子供のように
子供のようにはしゃぐあなたは本当に大型犬みたいで可愛い。
【続きます】
【お題】放課後
彼の研究室で飲むコーヒーが1番好きだ。
どんな高価なコーヒーより彼が俺のために入れてくれるコーヒーが好き。
研究室の本棚にびっしりと並べられた古い本の香りと彼の持つ見た目から甘ったるそうなココアと俺のコーヒーの香りが混ざり合う。
甘いものは苦手だけどこの香りは俺の心をいつも落ち着かせてくれる。
彼はいつも俺を優しく包み込んでくれた。
美味しいコーヒー 美味しいご飯 大きくて温かい手 男性にしては少し高めの透き通った歪みの無い甘い声。他にも俺は彼からたくさん貰ってばかりだ。
でも彼は優しいから「そんなこと無いよ。こちらこそ、いつもありがとう」なんて綺麗な声と笑顔で言うんだ。
俺はきっと一生、彼には勝てない。それでもいい。
ずっと一緒にいてくれるなら。
貴方が繋いだ手を離さないでいてくれるなら。
不意にこちらを見つめるブラウンの瞳と目が合った。途端、口に含んだ苦味の強いコーヒーが少しだけ甘く感じた気がした。
【お題】カーテン
カーテンの隙間から優しく差し込む光に意識が覚醒した。目の前で安らかな寝息を立てる愛しい存在に気がついて心が温かくなる。
【続きます】
【お題】涙の理由
どうして君が泣くの?
泣きたいのは僕の方なのに。
どうして君のこと好きになっちゃったんだろう。
違う。
ずっと昔から僕は君が好きだったんだ。
それこそ泣きたいくらいに。
なのに。
どうして君が「ごめん。好きになってごめん……」なんて泣くの?
腹が立つほど整った顔にある綺麗なアクアマリンの瞳から真珠のような涙を流して君は僕にそう言った。
腹が立つ。
僕はずっと前から君が好きなのに。それこそ君より僕の方がずっとずっと前から君のことが好きだったのに。
嗚呼、腹が立つ。
自然と溢れ出た涙が僕の頬を濡らした。
「どうして、君が泣くの……?」
君は本当に酷い人だね。
【お題】ココロオドル