#暗がりの中で
中学生のときに読んだ小説で、
目を開けてみる 真っ暗だ
目を閉じてみる 真っ暗だ
という表現を見ました。
私の家は襖がガラス戸だったので、寝室を暗くしても居間の光が入ってきて、真っ暗にはなりませんでした。
そもそも、目を開けても真っ暗で何も見えないなんてこと、なかなかありませんよね。
夜に外に出ても街灯が明るいし、お化け屋敷だって真っ暗だとお化けが見えません。
中学生の私は、そんな暗闇を見てみたいと思っていました。
その機会は、意外に早く訪れました。高校生になり、修学旅行で沖縄の防空壕に行ったときです。
持ってきたライトを、先生の号令で一斉に消しました。
目を開けてみる 真っ暗だ
目を閉じてみる 真っ暗だ
小説の文字が思い出されました。
クラスの女子数人が、怖い、嫌だと声を挙げていて、それを聞いていた私は、逆に恐怖が薄れました。小説の事を考えながら、ああ、これが、と感慨深い気持ちになっていたものです。
その後、この闇の中で、闇より恐ろしいものに怯えて過ごしていた人達へ、黙祷を捧げました。
数年前の自分と、数十年前の人々とに思いを馳せた、暗がりの中での思い出でした。
#紅茶の香り
バレンタインの時期に都内の百貨店で、ROYCEの紅茶風味のチョコレートを買って食べるのが好きでした。
別にこの時期で無くても買えるのかもしれないし、都内まで行かずとも通販で買えばいいし、紅茶風味でなくてもROYCEのチョコレートは美味しいのですが、この時期に友人と遠出をして買うのが楽しかったのです。
ミルクティのような香りで、ほんのり紅茶の味がする、葉っぱの形のチョコレートでした。普段は紅茶を飲むこともしないのに、このチョコレートだけは本当にお気に入りでした。帰りのグリーン車で、友人が買ったチョコレートと交換したりしながら食べました。
結婚して子供が産まれてからは足が遠のいてしまい、食べていないのですが、子供がもう少し大きくなったら、今度は子供も連れて買いに行きたい一品です。